(AM)FRB当局者が早期利下げの可能性に言及
2019/06/04 08:31
デイリーフラッシュ
【ポイント】
・米セントルイス連銀総裁が「利下げが近く正当化される可能性がある」と発言
・市場ではFRBの早期利下げ観測が高まる
・本日4日、パウエルFRB議長らが講演する予定。早期利下げ観測が一段と高まれば米ドル安が進みそう
・RBA(豪中銀)は利下げか。声明で追加利下げが示唆されるのかが焦点
(欧米市場レビュー)
3日欧米時間の外国為替市場では、米ドルが軟調に推移。一時、米ドル/円は107.905円へと下落し、ユーロ/米ドルは1.12574米ドル、豪ドル/米ドルは0.69814米ドル、NZドル/米ドルは0.66003米ドルへと上昇しました。ブラード米セントルイス連銀総裁が「政策金利の下向きの調整(利下げ)が近く正当化される可能性がある」と語ったためです。
メキシコペソも下落。トランプ米大統領が先週、6月10日以降、メキシコからの輸入品に5%関税を課すと表明したことが引き続きメキシコペソの重石となり、対米ドルや対円で約5カ月ぶりの安値を一時記録しました。
(本日の相場見通し)
ブラード米セントルイス連銀総裁は、今年のFOMC(米連邦公開市場委員会)で投票権を持っています。そのため、ブラード総裁の発言の影響力は大きいとみられます。市場ではFRBの早期利下げ観測が高まっており、CMEグループのFEDウオッチによると、金利先物市場は6月18-19日の次回FOMCにおける利下げの確率を35.8%織り込んでいます(6/3時点)。利下げの確率は5/31時点では20.0%でした。
本日、パウエルFRB議長やエバンズ・シカゴ連銀総裁、ブレイナードFRB理事などが講演を行う予定です。パウエル議長らがFRBの金融政策の先行きについて言及した場合、市場が反応しそうです。FRBの早期利下げ観測が高まる場合、米ドルには下押し圧力が加わり、米ドル/円は107.530円(1/4安値)を割り込む可能性があります。
米国の長期金利(10年債利回り)の動向にも目を向ける必要がありそうです。米長期金利は昨日、一時1年9カ月ぶりの低水準を記録しました。長期金利が一段と低下した場合、米ドルには下落圧力が加わりやすいとみられます。
本日はまた、RBA(豪準備銀行、中銀)の政策金利が発表されます。0.25%の利下げが決定されるとみられ、市場の関心は声明で“追加利下げが示唆されるのか”へと向いています。声明の内容に豪ドルが反応する可能性があります。*RBAの政策金利については、3日の『デイリーフラッシュ(PM)』をご覧ください。
*豪ドル/円のテクニカル分析は本日4日の『テクニカル・ポイント』をご覧ください。