(AM)米国とトルコの関係改善への期待が浮上

2019/05/31 08:58

デイリーフラッシュ

・原油価格が約2カ月ぶりの安値。一段と下落すれば資源国通貨に下落圧力が加わりそう
・米国とトルコの首脳が電話会談。G20サミットで直接会談も
・ただ、トルコはS-400を購入する方針を変えず。その方針が変わらなければ、トルコリラにはいずれ下落圧力が加わるとみられる

(欧米市場レビュー)

5月30日欧米時間の外国為替市場では、トルコリラが堅調に推移。対米ドルや対円で約1カ月ぶりの高値を記録しました。トランプ米大統領とエルドアン・トルコ大統領が29日に電話会談を行ったことで、両国の関係が改善するとの期待が浮上し、トルコリラの上昇材料となりました(後述)。

(本日の相場見通し)

米WTI先物(原油価格の代表的な指標)は昨日(30日)急落。前日比2.22ドル(3.8%)安の1バレル=56.59ドルで取引を終え、約2カ月ぶりの安値をつけました。米中貿易摩擦の影響による世界景気の減速への懸念に加え、EIA(米エネルギー情報局)の週間石油統計で米原油在庫が市場予想ほど減少しなかったためです。

原油価格の下落は、カナダドルや豪ドルなど資源国通貨にとってマイナス材料です。原油価格が一段と下落した場合、資源国通貨は上値が重い展開になりそうです。

米国とトルコの関係改善への期待からトルコリラが昨日上昇しました。エルドアン大統領は29日のトランプ大統領との電話会談で“S-400(ロシア製の地対空ミサイルシステム)”の影響を共同調査する作業グループの設置を提案し、両大統領は6月28-29日のG20サミットに合わせて会談を行うことで合意したためです。両国の関係改善への期待がトルコリラを下支えする可能性はあります。

ただ、トルコはS-400の購入を“すでに決まった方針”としており、その方針は今のところ変わっていません。両国の関係が実際に改善へと向かうには、トルコがS-400の購入を撤回するか、少なくとも見直す姿勢を示す必要があると考えられます。そうでなければ、トルコリラにはいずれ下落圧力が加わる可能性があります。

米ドル/円は約1週間にわたり、109円台で上下動を繰り返しています。そのため、109円ちょうどに近づく場面では“買い圧力”が強まり、110円ちょうどに近づく場面では“売り圧力”が強まることが想定されます。108円台へと下落する、あるいは110円台へと上昇するには、強い材料が必要かもしれません。