トルコリラ:下落リスクが高まる。要注意

2019/04/09 13:35

デイリーフラッシュ

【ポイント】
・米国とトルコの関係が悪化
・エルドアン大統領が選挙管理委員会に圧力!?
・TCMB(トルコ中銀)が1週間物レポ入札を再開。トルコリラ安阻止の姿勢が緩和か
・トルコ財務相が10日、経済改革パッケージを発表する予定


[レビュー]

9日東京時間の外国為替市場は、小動き。米ドル/円やクロス円は、おおむね昨日(8日)のNY終値近辺で推移しました。新たな手掛かり材料が乏しいなか、日経平均が比較的落ち着いた値動きとなったこともあり、様子見ムードが漂いました。

[これからの展開]

トルコリラの下落リスクが高まりつつあります。

特に注意が必要なのは、米国とトルコの関係が悪化していることです。両国の関係悪化の背景には、トルコがS-400(ロシア製の地対空ミサイルシステム)を導入する方針を示していることがあります。米国はF35戦闘機などの機密情報がロシアに漏えいする可能性があるとして、トルコにS-400の導入を撤回するように強く要請。トルコがそれに応じないことで、米国は1日にF35に関連する機器のトルコへの出荷を停止しました。

エルドアン大統領は8日、S-400の導入を予定通り行うと改めて表明。トルコが導入の方針を撤回しなければ、米国は今後、制裁措置を課す可能性もあります。

2018年8月のトルコリラ安の加速は、米国人牧師の拘束をめぐって米国とトルコの関係が悪化したことが一因でした。今後、両国の関係が一段と悪化した場合、トルコリラはその時と同じような展開になる可能性もあるため、注意が必要です。

エルドアン大統領が選挙結果に異議を唱え、選挙管理委員会に圧力をかけるような発言をしたことも、トルコリラにとってマイナス材料です。エルドアン大統領は8日、野党CHP(人民共和党)候補が勝利したイスタンブール市長選について、“組織的な不正があり、開票結果は不当”と主張し、選挙管理委員会に調査を依頼。「最高選挙管理委員会がわれわれの全ての申し立てに対応した結果しか受け入れない」と語り、市長選を再び行う可能性にまで言及しました。

AKP(公正発展党、エルドアン大統領が党首)は全39選挙区での全面的な再集計を求めていましたが、最高選挙管理委員会は9日、全選挙区での再集計を認めなかったようです。

TCMB(トルコ中央銀行)は8日、1週間物レポ入札を再開しました。それもトルコリラの重石となる可能性があります。TCMBは3月22日、トルコリラ安阻止のため、1週間物レポ入札を中止し、翌日物貸出金利を使用した入札に変更。資金供給を1週間物レポ金利(24.00%)から翌日物貸出金利(25.50%)に切り替えたことで、市中銀行の平均調達コストが上昇し、利上げと同じ効果を生みました。1週間物レポ入札が再開されたことにより、事実上の利上げ効果が剥落したうえ、TCMBはトルコリラ安阻止の姿勢を弱めたと判断することもできます。

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アルバイラク・トルコ財務相が4月10日に経済改革パッケージを発表する予定です。トルコリラの地合いが悪いなか、経済改革パッケージの中でトルコ経済の課題である高インフレや経常収支の赤字に対して、具体的かつ効果的な計画が示されなければ、トルコリラへの下落圧力は一段と強まるとみられます。トルコリラ/円は、米ドル/円の動向の影響も受けますが、18.77円(3/22安値)に向けて下がる可能性があります。

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【マーケットView】

マーケットViewは、毎日16時ごろアップの予定です。

※動画のアップ時間は前後する可能性があります。
※音声にご注意ください。

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