弱いGDPを受けて豪ドルが下落。カナダ中銀は利上げスタンスを維持するか
2019/03/06 15:13
デイリーフラッシュ
【ポイント】・豪GDP成長率は前年比で2017年4-6月期以来の低い伸び
・RBA(豪中銀)の利下げ観測は一段と高まり、豪ドルには下落圧力が加わりそう
・BOC(カナダ中銀)声明では、フォワードガイダンスに注目。変化すればカナダドル安も!?
[レビュー]
6日東京時間の外国為替市場では、豪ドルが下落。一時、豪ドル/米ドルは0.7030米ドル、豪ドル/円は78.58円へと値を下げました。豪州の2018年10-12月期のGDPが前期比+0.2%、前年比+2.3%と、それぞれ市場予想の+0.3%、+2.5%を下回り、豪ドルに対して下落圧力が加わりました。
NZドルも軟調。一時、NZドル/米ドルは0.6755米ドル、NZドル/円は75.50円へと下落しました。同じオセアニア通貨である豪ドルの下げに引きずられました。
[これからの展開]
RBA(豪準備銀行、中銀)は足もとの景気減速に言及しつつも、堅調な労働市場を背景に、先行きについては楽観的な見方を示しており、2019年のGDP成長率を3%前後と予想。次の政策変更は“利上げと利下げのいずれもあり得る”との姿勢です。
一方、豪住宅価格の下落や世界景気の減速などを背景に、市場は“次の一手は利下げ”とみています。RBAの景気認識は楽観的過ぎるとの指摘もあります。
2018年10-12月期の豪GDP成長率(前年比)は、市場予想以上に7-9月期(+2.8%)から減速し、2017年4-6月期以来の低い伸びを記録。個人消費の低迷や住宅建設の落ち込みが重石となりました。豪景気の減速が浮き彫りとなったことで、2019年の成長率はRBAの見通しである+3%前後には届かない可能性が高まりました。
市場の利下げ観測は一段と高まるだけでなく、複数回の利下げ観測が浮上する可能性もあります。豪ドルには下落圧力が加わりやすいとみられます。

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BOC(カナダ銀行、中銀)が本日、政策金利を発表します(日本時間では7日0:00)。政策金利は現行の1.75%に据え置かれるとみられ、市場は声明の内容に注目しています。
声明の焦点は、1月の前回会合時に「インフレ目標を達成するため、政策金利を時間をかけて中立レンジまで引き上げる必要がある」とした“フォワードガイダンス(金融政策の方向性をあらかじめ示したもの)”が変化するのか、そして “カナダ経済についての見方”になりそうです。
カナダの2018年10-12月期のGDPは前期比年率+0.4%と、7-9月期の+2.0%から鈍化。市場予想(+1.2%)も下回りました。これはマイナス成長を記録した2016年4-6月期以降、最も低い伸びでした。
市場では、“政策金利を時間をかけて中立レンジまで引き上げる必要がある”との方針を維持しつつも、景気動向について慎重な見方を示し、声明はハト派的な内容になるとの見方があります。その通りになれば、カナダドルに対して下落圧力が加わるかもしれません。

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