米雇用統計で景況感に変化は生じるか

2019/01/04 12:57

デイリーフラッシュ

【ポイント】
・欧米の株価動向に引き続き要注意
・4日の米雇用統計を受けて、足もとで急速に悪化する景況感に変化は生じるか
・シャットダウン(米政府機関の一部閉鎖)解消の見通しは立たず
・英議会の協定案採決が近づき、「合意なき離脱」に現実味も


[レビュー]

 1月4日東京時間の外国為替市場では、が主要通貨に対して下落、対米ドルでも一時108円台に戻しました。その他の通貨に大きな変化はありませんでした(午後1時現在、以下いずれも同じ)。2-3日の欧米市場で強まったリスクオフの反動が出たようです。

 欧州通貨や資源・新興国通貨はいずれも、対米ドル、対円で3日東京時間早朝の急落分をほぼ戻しました。

 19年の最初の取引となった日経平均株価は大幅に下げて始まりましたが、その後はやや戻したため、新たなリスクオフの円買いにはつながりませんでした。

 [これからの展開]

 引き続き欧米の株価動向に要注意です。4日東京時間のSP500先物はやや戻していますが、予断を許しません。

 本日4日、昨年12月分の米雇用統計が発表されます。NFP(非農業部門雇用者数)の市場予想は前月比18.4万人増(11月実績同15.5万人)。3日に発表されたADP雇用は堅調でしたが、NFPはそれと異なる結果になることもあります。失業率や時間当たり賃金にも要注目です。
 足もとの景況感は急速に悪化しており、雇用統計が悪ければリスクオフが強まる可能性があります。雇用統計が堅調であっても、「過去のデータ」として材料視されないかもしれませんが、それでもいったん消滅した利上げ観測が再浮上する可能性はあります。

 米国では、昨年12月22日からシャットダウン(政府機関の一部閉鎖)が続いており、解消の見通しは立っていません。3日には新議会が召集され、民主党のペローシ議員が下院議長に選出されました。民主党が過半数を握る下院とトランプ政権の対立が続いて(=予算が成立せず)シャットダウンが長期化すれば、市場がネガティブな材料として意識するかもしれません。

 他方、英国ではメイ首相がEUと合意したブレグジット協定案の議会採決まで残り10日ほどになっています。メイ政権に閣外協力しているDUP(民主統一党)は協定案に反対の姿勢を崩していません。また、与党保守党内では過半数が「合意なき離脱」を支持しているとの調査もあります。議会採決が接近するにつれて「合意なき離脱」が現実味を帯びて、英ポンドのマイナス材料になるかもしれません。

(チーフエコノミスト 西田明弘)