(AM) TCMBの政策スタンスはトルコリラの支援材料になるか!?

2021/01/22 09:36

デイリーフラッシュ

【ポイント】
・TCMB(トルコ中銀)は長期にわたって金融政策の引き締めスタンスを維持すると強調
・TCMBはまた、必要なら追加利上げを行うと表明
・CPIの結果を受け、NZ中銀のマイナス金利導入の可能性は低下!?

(欧米市場レビュー)

21日の欧米時間の外為市場では、米ドルや円が軟調に推移。一時、ユーロ/米ドルは1.21674米ドル、豪ドル/米ドルは0.77767米ドル、ユーロ/円は125.911円、豪ドル/円は80.449円へと上昇しました。バイデン米新政権による1.9兆米ドル規模の追加経済対策への期待からリスク選好の動きが強まり、米ドルや円の重石となりました。

日銀、ECB(欧州中銀)、TCMB(トルコ中銀)、SARB(南アフリカ中銀)はいずれも金融政策の現状維持を決定しました。

※ECB理事会とラガルド総裁の会見については、本日22日の『ファンダメ・ポイント』をご覧ください。

(本日の相場見通し)

TCMB(トルコ中銀)は21日、政策金利を17.00%に据え置きました。

声明は「昨年11月と12月の利上げが信用や内需に与える減速効果は、(今後)より顕著になる」と指摘。「インフレに対する需要やコスト要因の影響は徐々に弱まるだろう」との見方を示しました。

声明は一方で、「インフレ率の持続的な低下がみられるまで、長期にわたって金融政策の引き締めスタンスを断固維持する」と表明。「必要に応じて追加の金融引き締めを行う」としました。

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トルコの昨年12月のCPI(消費者物価指数)は前年比14.60%と、2019年8月以来の強い伸びを記録したものの、TCMBは利上げを見送りました。昨年11月と12月の大幅な利上げ(合計6.75%)の効果が今後も出てくることで、CPI上昇率が高まり続ける可能性は低いと判断したとみられます。

エルドアン・トルコ大統領は「金利を下げれば、インフレ率は下がる」というのが持論。15日にもその持論を改めて述べました。TCMBはウイサル前総裁のもと、エルドアン大統領の圧力によってCPI上昇率(インフレ率)が十分に下がる前に利下げを開始しました。同じようなことになることを市場は懸念しています。

今回の声明で「長期にわたって金融政策の引き締めスタンスを維持する」との方針を示し、近い将来に利下げに転じる可能性が低いことを示唆したうえ、「必要なら追加利上げを行う」と明言しました。

市場の懸念は後退するとみられ、トルコリラは底堅く推移する可能性があります。リラ/円の目先のメドとして、上値が200日移動平均線(21日時点で14.395円)、下値は13.697円(18日安値)が挙げられます。

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NZの昨年10-12月期のCPI(消費者物価指数)が今朝発表され、結果は前期比0.5%、前年比1.4%と、いずれも市場予想の0.0%と1.0%を上回りました。

また、RBNZ(NZ中銀)は昨年11月の金融政策報告で10-12月期のCPI上昇率を前期比0.2%、前年比1.1%と予想。その見通しを上回りました。

RBNZ(NZ中銀)はマイナス金利導入の可能性を排除していないものの、今回のCPIの結果はその可能性が一段と低くなったことを示唆します。

CPIの結果が支援材料となり、NZドルは堅調に推移しそうです。目先、NZドル/米ドル0.73099米ドル(6日高値)、NZドル/円75.509円(8日高値)が上値メド、豪ドル/NZドル200日移動平均線(21日時点で1.07177NZドル)が下値メドになりそうです。

※豪ドル/NZドルのテクニカル分析は、本日の『テクニカル・ポイント』をご覧ください。

執筆者プロフィール
八代 和也(やしろ かずや)
シニアアナリスト
2001年ひまわり証券入社後、為替関連の市況ニュースの配信、レポートの執筆などFX業務に携わる。2011年、マネースクウェア・ジャパン(現マネースクエア)に入社。豪ドル、NZドル、カナダドル、トルコリラ、南アフリカランド、メキシコペソを中心に分析し、レポート執筆のほか、M2TV出演、セミナー講師を務めている。
【プロフィール】広島県出身。
【趣味】野球・サッカー観戦。
【一言】より分かりやすくタイムリーなレポートを心掛けています。


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