(AM) トルコ大統領が持論を再び展開

2021/01/18 09:35

デイリーフラッシュ

【ポイント】
・オランダやイタリアの政局不安、行動制限の強化からユーロは軟調に推移しそう
トルコ大統領は「高金利は何の役にも立たない」と述べ、「金利が下がれば、インフレは下がる」と主張
・トルコ大統領はこれ以上の利上げを容認しない可能性も!?

(欧米市場レビュー)

15日の欧米時間の外為市場では、米ドルや円が堅調に推移。一時、ユーロ/米ドルは1.20746米ドル、豪ドル/米ドルは0.76823米ドル、ユーロ/円は125.370円、豪ドル/円は79.680円へと下落。一方、米ドル/円は米ドル買いと円買いの綱引きとなり、103円台後半で推移しました。NYダウが軟調に推移するなか、リスク回避の動きが強まり、米ドルや円の支援材料となりました。

(本日の相場見通し)

「イタリア・ビバ」のレンツィ党首(元首相)は13日、連立政権からの離脱を表明。15日には、オランダのルッテ内閣が児童手当をめぐる問題の責任を取り総辞職しました。

イタリアとオランダの政治不安に加え、コロナの感染拡大によってドイツやフランスは行動制限を強化しています。ユーロは軟調な展開になりそうです。ユーロ/米ドルは心理的節目である1.20000米ドル割れを試し、ユーロ/円90日移動平均線(15日時点で124.683円)に接近する可能性があります。

米WSJ(ウォール・ストリート・ジャーナル)紙は17日、「米財務長官候補のイエレン氏が19日の指名承認公聴会で、“米ドルの価値は市場が決める”と証言する」と報じました。この報道は米ドルの支援材料になる可能性があります。

※米ドル/円のテクニカル分析は、本日18日の『テクニカル・ポイント』をご覧ください。

本日(18日)は米国が祝日(キング牧師誕生日)。米株式市場や債券市場は休場です。外為市場では市場参加者が減少して流動性が低下するため、突発的なニュースが出た場合には値動きが増幅する可能性があります。

***

エルドアン・トルコ大統領は15日、「高金利は何の役にも立たない」と述べ、「為替レートの安定はインフレとの闘いにおいて重要な役割を担うが、本当の課題は政策金利を引き下げることでインフレを低下させることだ」と強調。「高金利を誇りに思うべきではない」と語りました。

エルドアン大統領は「金利の敵」を自称し、「金利が下がればインフレ率は下がる」というのが持論。TCMB(トルコ中銀)に対して利下げ圧力をかけ続けてきました。

しかし、昨年11月にアーバル氏がTCMB総裁に就任すると、TCMBは2会合連続(11月、12月)で計6.75%の利上げを実施しました(現在の政策金利は17.00%)。

それについてエルドアン大統領は容認する姿勢を示したものの、自らの持論を再び述べ始めたことをみると、これ以上の利上げは容認しない可能性があります。

TCMBは1月21日に政策会合を開きます。トルコの昨年12月CPI(消費者物価指数)は前年比14.60%と、上昇率は11月の14.03%から加速しました。ただ、TCMBの政策金利(現在17.00%)はCPI上昇率から依然として2.4%高い状況。また、過去2回の会合で大幅な利上げを行ったことから、その効果を見極めるために政策金利を据え置いてもおかしくはありません。

ただ、政策金利を据え置けば、「エルドアン大統領はTCMBの金融政策に再び介入し始めた」との懸念が市場で高まる可能性があります。

執筆者プロフィール
八代 和也(やしろ かずや)
シニアアナリスト
2001年ひまわり証券入社後、為替関連の市況ニュースの配信、レポートの執筆などFX業務に携わる。2011年、マネースクウェア・ジャパン(現マネースクエア)に入社。豪ドル、NZドル、カナダドル、トルコリラ、南アフリカランド、メキシコペソを中心に分析し、レポート執筆のほか、M2TV出演、セミナー講師を務めている。
【プロフィール】広島県出身。
【趣味】野球・サッカー観戦。
【一言】より分かりやすくタイムリーなレポートを心掛けています。


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