(AM) カナダドル/円が昨年2月以来の高値

2021/01/15 09:13

デイリーフラッシュ

【ポイント】
・米長期金利の動向に注目
・原油価格の上昇を背景にカナダドル高が進行
・BOC(カナダ中銀)の利下げ観測が浮上。カナダドルの上値を抑えるかも

(欧米市場レビュー)

14日の欧米時間の外為市場では、米ドルが軟調に推移。一時、米ドル/円は103.551円へと下落し、豪ドル/米ドルは0.77997米ドル、NZドル/米ドルは0.72345米ドルへと上昇しました。パウエルFRB(米連邦準備理事会)議長が「利上げは今すぐにない」と述べ、また現在月額1200億米ドルの債券購入について「今は出口戦略について話すべき時ではない」と発言。これを受けて、FRBは年内にテーパリング(量的緩和の縮小)を開始するとの観測が市場で後退し、米ドルの重石となりました。

(本日の相場見通し)

バイデン米次期大統領は14日夜(日本時間15日午前)、追加経済対策を発表します。報道によると、対策の規模は1.9兆米ドル規模になるもようです。

※詳しくは、本日15日の『ファンダメ・ポイント』をご覧ください。

バイデン次期大統領の経済対策の内容を受けての米国の長期金利(10年債利回り)の動向に注目です。長期金利が上昇する場合、米ドルが堅調に推移する可能性があります。米ドル/円は104円台へと上昇し、豪ドル/米ドルやNZドル/米ドルは上値が重くなるかもしれません。

本日(15日)はまた、米国の経済指標が多く発表されます。経済指標がおおむね良好な内容になった場合、長期金利が上昇する可能性があります。

主な指標の市場予想は以下の通り。
<日本時間22:30発表>
・小売売上高(12月):前月比0.0%
・NY連銀製造業景気指数(1月):6.0
<同23:15発表>
・鉱工業生産(12月):前月比0.5%
<同24:00発表>
・ミシガン大学消費者信頼感指数・速報値(1月):80.0

***

カナダドルは15日、対米ドルで2018年4月以来、対円で2020年2月以来の高値をつけました。原油価格が上昇しており、それが資源国通貨であるカナダドルを押し上げています。

原油価格の代表的な指標である米WTI原油先物の2月物は今週、2020年2月以来の高値を記録。サウジアラビアが2月と3月に自主的に日量100万バレルの減産を実施するとしており、それが足もとの原油高の要因です。

WTI原油先物が一段と上昇すれば、カナダドルは堅調に推移する可能性があります。

一方で、市場ではBOC(カナダ中銀)が20日の会合で利下げするとの観測が浮上しています。カナダの2020年12月雇用統計の弱い結果、オンタリオ州がロックダウン(都市封鎖)を強化したこと、それらが利下げ観測の背景にあります。12月雇用統計では雇用者数が前月比マイナス6.26万人と、8カ月ぶりにマイナスになりました。

BOCの現在の政策金利は0.25%。BOCはマイナス金利の導入に否定的なため、市場は利下げするとすれば幅は0.15%(政策金利を0.25%から0.10%にする)との見方が有力です。

20日のBOC会合が近づくにつれて市場は利下げの可能性を意識するかもしれません。その場合、カナダドルは上値が重くなりそうです。

※カナダドル/円のテクニカル分析は、本日の『テクニカル・ポイント』をご覧ください。

執筆者プロフィール
八代 和也(やしろ かずや)
シニアアナリスト
2001年ひまわり証券入社後、為替関連の市況ニュースの配信、レポートの執筆などFX業務に携わる。2011年、マネースクウェア・ジャパン(現マネースクエア)に入社。豪ドル、NZドル、カナダドル、トルコリラ、南アフリカランド、メキシコペソを中心に分析し、レポート執筆のほか、M2TV出演、セミナー講師を務めている。
【プロフィール】広島県出身。
【趣味】野球・サッカー観戦。
【一言】より分かりやすくタイムリーなレポートを心掛けています。


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