(AM) カナダドル:オンタリオ州が非常事態宣言

2021/01/13 08:41

デイリーフラッシュ

【ポイント】
・非常事態宣言によってカナダの雇用情勢が悪化し、景気は下押すおそれ
・カナダ景気の先行き懸念が強まれば、カナダドルは軟調に推移か

(欧米市場レビュー)

12日の欧米時間の外為市場では、米ドルが軟調に推移。一時、米ドル/円は103.706円へと下落し、ユーロ/米ドルは1.22044米ドル、豪ドル/米ドルは0.77739米ドルへと上昇しました。米国の長期金利(10年債利回り)が低下するなか、米ドル売り圧力が強まりました。

英ポンドは上昇。一時、英ポンド/米ドルは1.36649米ドル、英ポンド/円は141.956円へと値上がりしました。ベイリーBOE(英中銀)総裁が「マイナス金利には多くの問題がある」と述べ、英ポンドの支援材料となりました。

テンレイロBOE政策委員は11日、「これまでにマイナス金利政策を導入した国や地域では、金融政策効果の効率的な波及が見られた」と述べ、マイナス金利の導入を支持する姿勢を示したことで英ポンドは11日に下落していました。

(本日の相場見通し)

最近の米ドルは、米国の長期金利(10年債利回り)に反応しやすい地合い。引き続き米長期金利の動向に注目する必要があります。

長期金利が上昇すれば、米ドルが堅調に推移しそうです。米ドル/円は上昇し、ユーロ/米ドルや豪ドル/米ドルは下落するとみられます。米ドル/円の目先の上値メドとして、90日移動平均線(12日時点で104.552円)が挙げられます。

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オンタリオ州(カナダ)は12日、非常事態を宣言。新型コロナウイルスの感染が今後急激に拡大する可能性があることを理由としています。14日から不要不急の外出自粛や、屋外での集会人数を5人までに制限するなどの措置が行われます。

カナダにおいてオンタリオ州は人口の4割弱、またGDP(国内総生産)全体の約4割を占めます。そのため、オンタリオ州の経済活動は、カナダ景気に大きな影響を与えます。

カナダの2020年12月の雇用統計では、雇用者数が前月比マイナス6.26万人と、8カ月ぶりにマイナスを記録しました。オンタリオ州の非常事態宣言によって雇用情勢は今後悪化するとみられ、カナダ景気も下押す可能性があります。

堅調な原油価格はカナダドルにとってプラス材料ですが、市場の関心は今後、カナダ景気の先行きにも向かうかもしれません。カナダ景気をめぐる懸念が市場で強まる場合、カナダドルは軟調に推移する可能性があります。目先、カナダドル/円82.066円(2020/12/10高値)が上値メド、90日移動平均線(12日時点で80.132円)が下値メドになりそうです。

執筆者プロフィール
八代 和也(やしろ かずや)
シニアアナリスト
2001年ひまわり証券入社後、為替関連の市況ニュースの配信、レポートの執筆などFX業務に携わる。2011年、マネースクウェア・ジャパン(現マネースクエア)に入社。豪ドル、NZドル、カナダドル、トルコリラ、南アフリカランド、メキシコペソを中心に分析し、レポート執筆のほか、M2TV出演、セミナー講師を務めている。
【プロフィール】広島県出身。
【趣味】野球・サッカー観戦。
【一言】より分かりやすくタイムリーなレポートを心掛けています。


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