(AM)ジョンソン英首相がEUとの交渉に乗り出す!?

2020/11/23 07:00

デイリーフラッシュ

【ポイント】
・20日はリスクオンで、資源・新興国通貨が堅調
・本日23日は欧州の経済指標に要注目
・ジョンソン英首相の介入で、EUとの交渉にブレークスルーも?

(欧米市場レビュー)

20日の欧米為替市場では、概ねリスクオン方向の展開でした。コロナのワクチン開発への期待が感染拡大の懸念を上回った格好。米ドルユーロに対して上昇、豪ドルNZドルメキシコペソ南アフリカランドに対して下落しました。豪ドルやNZドルは最近の人民元の上昇も追い風となった模様。

英ポンドは主要通貨の中で堅調、英国とEUの交渉進展への期待が背景でした。トルコリラは軟調な展開、19日にTCMB(トルコ中銀)の大幅利上げを受けて上昇した反動が出た格好です。

大手格付け各社のムーディーズとフィッチが南アフリカの格付けをそれぞれ1段階引き下げましたが、すでに「投機的等級」だったため、ランドへの影響はほとんどなかったようです。他方、ムーディーズがカナダの格付けを最上級Aaaに据え置きましたが、カナダドルはやや軟調でした。

NYダウは小幅安。緊急融資プログラムの未使用資金を巡り、返還を求めた財務省と保有を望むFRBとの対立が嫌気されました(返還することで決着)。

この日、ジョージア州が大統領選挙の結果を認定しました。また、ペンシルベニア州ではトランプ陣営による郵便投票無効の訴えが退けられたようです。しかし、トランプ氏は法廷闘争を継続する意向のようです。

詳細は、本日のファンダメ・ポイント「トランプ氏の悪あがきは続く⁉」をご参照ください。

(本日の相場見通し)

本日、ドイツとユーロ圏の製造業PMI(11月速報値)が発表されます。いずれも前月から低下すると予想されていますが、下げ幅が大きいようだと、ユーロの下押し圧力になりそうです。

欧州経済はコロナの感染拡大やロックダウン(都市封鎖)から打撃を受けています。景気が一段と悪化するようであれば、12月10日のECB理事会や、EUでの予算案と復興基金構想の策定にも影響するかもしれません。ECB理事会に関しては、すでにラガルド総裁が「強力な対応を打ち出す」と明言(11/19欧州議会)。予算案と復興基金構想については、反対するハンガリーとポーランドをどう翻意させるかが課題となっています。

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本日以降、英国とEUのブレグジット後の関係に関する交渉が再開されます。先週、交渉担当者の一人がコロナに感染したことでブリュッセルでの交渉はいったん中断され、事務方がビデオ会議を続けていました。

交渉は引き続き、漁業権と補助金(公平な競争条件)がネックとなったままです。ただ、関係者は合意に近づいているとの感触を持っているようです。ジョンソン英首相はフォン・デア・ライエン欧州委員長と対話して、直接的な交渉に乗り出す意向のようです。

それでも、今週中に合意に達する可能性は低いかもしれません。当面の交渉期限とされる11月30日を越えて交渉が続くとみる関係者もいます。もっとも、合意内容を欧州議会が承認し、かつ英国とEU加盟の27カ国の議会が承認する必要があるため、残された時間はますます少なくなっています。

執筆者プロフィール
西田 明弘(にしだ あきひろ)
チーフエコノミスト
日興リサーチセンター、米ブルッキングス研究所、三菱UFJモルガンスタンレー証券などを経て、2012年マネースクウェア・ジャパン(現マネースクエア)入社。
米国を中心とした各国のマクロ経済・金融政策・政治動向の分析に携わる。
「アナリスト、ストラテジスト、エコノミスト、研究員と呼び名は変われども、30年以上一貫してリサーチ業務を行ってきました。長い経験を通じて学んだことは、金融市場では何が起きても不思議ではないということ。その経験を少しでも皆さんと共有したいと思います。


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