(AM)次回FOMCでの0.50%幅の利下げ観測が高まる

2019/07/19 08:58

デイリーフラッシュ

【ポイント】
・NY連銀総裁と米FRB副議長が早期に利下げすべきとの認識を示す
・市場は次回FOMCで0.50%幅の利下げが行われる確率を約7割織り込む
・ただし、NY連銀は今朝、「総裁の発言は次回FOMCの政策行動に関するものではない」と発表。0.50%幅の利下げ観測は修正される可能性も
・本日19日、米セントルイス連銀総裁とボストン連銀総裁が講演。その内容に市場が反応する可能性あり

(欧米市場レビュー)

18日欧米時間の外国為替市場では、米ドルが軟調に推移。一時、米ドル/円は107.213円へと下落し、ユーロ/米ドルは1.12771米ドル、豪ドル/米ドルは0.70762米ドル、NZドル/米ドルは0.67807米ドルへと上昇しました。FRB(米連邦準備理事会)当局者の発言を受けて次回7月30-31日のFOMC(連邦公開市場委員会)での0.50%幅の利下げ観測が高まり、米ドル安材料となりました(*後述)。

トルコリラは堅調。トルコリラ/円は一時、19.117円へと上昇しました。トランプ米大統領が「現時点で対トルコ制裁を検討していない」と述べたことが要因です。米国はトルコに対してS-400(ロシア製の地対空ミサイルシステム)の導入を進めれば制裁を科すと警告していました。

SARB(南アフリカ中銀)は、政策金利を6.75%から6.50%へ引き下げることを決定。経済成長の弱さとCPI(消費者物価指数)上昇率が目標中央値近辺で安定していることが利下げの理由のようです。利下げの決定は5人の政策メンバー全員一致でした。

(本日の相場見通し)

昨日(18日)、ウイリアムズNY連銀総裁は講演で「経済に問題が生じている兆候があるならば、素早く利下げに動く必要がある」と発言。クラリダFRB副議長も同日、インタビューで「事態がかなり悪化して劇的な利下げに踏み切らざるを得ない時点まで待つ必要はない」と語りました。

それらを受けて、市場ではFRBが次回(7/30-31)FOMCで0.50%幅の利下げを行うとの観測が高まりました。CMEグループのFEDウォッチによると、金利先物市場は0.50%幅の利下げの確率を71.0%(0.25%幅の確率は29.0%)織り込んでいます。17日時点では34.3%(同65.7%)でした。

0.50%幅の利下げ観測が高まることは、米ドル安要因です。ただ、6月の米雇用統計が堅調な結果だったことを踏まえると、0.50%幅の利下げ観測は過剰な感があります。

NY連銀は日本時間07:20頃、「ウイリアムズ総裁の講演は調査に基づく学術的内容であり、次回FOMCにおける政策行動に関するものではない」と発表しました。ウイリアムズ総裁の発言を受けて高まった0.50%幅の利下げ観測が修正される可能性があり、その場合には米ドルはいったん反発するかもしれません。

本日(19日)、ブラード米セントルイス連銀総裁ローゼングレン米ボストン連銀総裁が講演を行う予定です(日本時間では20日00:05と05:30)。FRBの金融政策についての発言があれば、市場が反応する可能性があります。両総裁は今年のFOMCで投票権を持っています。

米ドル/円の目先のメドは、下値が106.781円(6/25安値)、上値は107.977円(7/18高値)が挙げられます。

*米ドル/円のテクニカル分析は、19日の『テクニカル・ポイント』をご覧ください。

執筆者プロフィール
八代 和也(やしろ かずや)
シニアアナリスト
2001年ひまわり証券入社後、為替関連の市況ニュースの配信、レポートの執筆などFX業務に携わる。2011年、マネースクウェア・ジャパン(現マネースクエア)に入社。豪ドル、NZドル、カナダドル、トルコリラ、南アフリカランドを中心に分析し、レポート執筆のほか、M2TV出演、セミナー講師を務めている。
【プロフィール】広島県出身。
【趣味】野球・サッカー観戦。
【一言】より分かりやすくタイムリーなレポートを心掛けています。