(AM) トルコ大統領の発言を受けてトルコリラが下落

2020/04/01 09:14

デイリーフラッシュ

【ポイント】
・TCMB(トルコ中銀)の追加利下げ観測が高まる
・米FRBは米ドル供給措置を決定。米ドルの需給のひっ迫は緩和するか
・米WTI原油先物は小幅反発。カナダドルやメキシコペソにとってプラス材料

(欧米市場レビュー)

3月31日欧米時間の外為市場では、米ドルが弱含み。一時、米ドル/円は107.386円へと下落し、ユーロ/米ドルは1.10339米ドル、豪ドル/米ドルは0.61539米ドル、英ポンド/米ドルは1.24681米ドルへと上昇しました。FRB(米連邦準備理事会)が“国外の中央銀行に米ドルを供給する緊急措置(*)”を決定。米ドルの需給のひっ迫が緩和するとの見方から、米ドルが売られました。

*国外の中央銀行が保有する米国債をFRBが一時的に買い入れ、米ドルを供給する措置。

トルコリラも下落。対米ドルで2018年9月以来、対円(リラ/円)で2019年8月以来の安値を記録しました。エルドアン・トルコ大統領が「新型コロナウイルスの感染が拡大している中でも経済を前進させる必要がある」と発言。それを受けて市場では、“TCMB(トルコ中銀)は追加利下げを行う”との観測が高まり、リラに対して下押し圧力が加わりました。

エルドアン大統領はTCMBに対して公然と利下げ圧力を加えており、2019年7月には利下げの要求に従わないとしてチェティンカヤ総裁を解任。後任のウイサル総裁は、就任後のすべての会合で利下げを行っており、就任時24.00%だった政策金利は現在9.75%。TCMBの次回定例会合は4月22日です。

(本日の相場見通し)

本日(4/1)、米国の3月ADP雇用統計や3月ISM製造業景況指数が発表されます(日本時間21:15、23:00)。市場予想はADPが前月比15万人減、ISMは44.8。新型コロナウイルスの影響により、いずれも前月(18.3万人増、50.1)から悪化するとみられています。FRBの米ドル供給措置(*前述)を受けて、米ドル需給のひっ迫が緩和するとの見方が浮上するなか、ADP雇用統計やISM製造業景況指数が市場予想以上に悪化すれば、米ドルは軟調に推移しそうです。米ドル/円107.046円(3/30安値)を下回る可能性があります。

***

原油価格の代表的な指標である米WTI原油先物は3月31日、前日比0.39ドル(1.9%)高の1バレル=20.48ドルで取引を終了。約18年ぶりの安値を記録した前日(3/30)の20.09ドルから反発しました。中国の3月製造業PMI(購買担当者景気指数)が改善し、原油価格を下支えしました。製造業PMIは52.0と、過去最低だった2月の35.7から大幅に上昇し、製造業活動の拡大・縮小の分かれ目とされる“50”を上回りました。

カナダやメキシコは原油を輸出しているため、カナダドルメキシコペソは原油価格の動向に影響を受けやすいという特徴があります。足もとのカナダドルやメキシコペソの下落は原油安が一因であるため、原油価格が下げ止まれば両通貨に対する下押し圧力は緩和する可能性があります。

ただし、2016年12月に始まったOPEC(石油輸出国機構)加盟国と非加盟主要産油国による協調減産は3月31日をもって終了。サウジアラビアは4月から増産する姿勢を示しており、原油の供給過剰の状態は当面続くとみられます。

執筆者プロフィール
八代 和也(やしろ かずや)
シニアアナリスト
2001年ひまわり証券入社後、為替関連の市況ニュースの配信、レポートの執筆などFX業務に携わる。2011年、マネースクウェア・ジャパン(現マネースクエア)に入社。豪ドル、NZドル、カナダドル、トルコリラ、南アフリカランド、メキシコペソを中心に分析し、レポート執筆のほか、M2TV出演、セミナー講師を務めている。
【プロフィール】広島県出身。
【趣味】野球・サッカー観戦。
【一言】より分かりやすくタイムリーなレポートを心掛けています。

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