(AM) 原油価格が急上昇、米WTI先物は14.7%高

2019/09/17 08:59

デイリーフラッシュ

【ポイント】
・サウジアラビアの石油施設が攻撃されたことで、市場では供給への懸念が高まる
・中東情勢に要注意

(欧米市場レビュー)

16日欧米時間の外為市場では、カナダドルが強含み。カナダドル/円は一時、81.629円へと上昇しました。サウジアラビアの石油施設が攻撃を受けたことで原油価格が急上昇し、資源国通貨であるカナダドルを押し上げました。

トルコリラは軟調。対米ドルで下落し、対円(トルコリラ/円)は18円台後半へと値を下げました。原油価格の上昇がリラに対する下押し圧力となりました(*後述)。

(本日の相場見通し)

サウジアラムコ(サウジアラビアの国営石油会社)の石油施設2カ所が14日、イエメンの反政府武装組織フーシ派の無人機で攻撃され、日量570万バレルの生産が停止。これは同国の産油量の約半分、世界の石油供給量の5%超に相当します。

石油の供給への懸念が高まったことで、米WTI先物(原油価格の代表的な指標)は16日に急上昇し、前週末比8.05ドル(14.7%)高の1バレル62.90ドルで取引を終了。上昇率は一時19%に達しました。

本日(17日)は引き続き、原油価格の動向が材料になりそうです。トランプ米大統領は15日、“必要に応じて米国の戦略石油備蓄を放出することを承認”した一方、サウジアラムコの生産が通常の水準に戻るには数カ月かかる可能性があるとの報道もあります。原油価格が一段と上昇した場合、カナダドルなど資源国通貨は底堅く推移しそうです。カナダドル/円は目先の上値メドとして、200日移動平均線(16日時点で82.199円水準に位置)が挙げられます。

一方、原油高が進めば、トルコリラは上値が重い展開になりそうです。トルコはエネルギー需要の約9割を輸入に依存しており、原油高は経済成長を阻害する可能性があります。また、インフレ圧力も強めかねません。

中東情勢にも注意が必要です。サウジアラビアの石油施設に対する攻撃について、トランプ米大統領はイランが関与したとの見方を示したうえで、「検証の結果次第では臨戦態勢を取る」とツイッターに投稿しました。中東情勢が緊迫した場合、リスク回避の動きが強まる可能性があります。リスク回避は円高要因です。

米中両国は貿易問題について19日から次官級協議を行います(閣僚級協議は10月上旬の予定)。次官級協議についてニュースが出てくれば、市場が反応する可能性はあります。

執筆者プロフィール
八代 和也(やしろ かずや)
シニアアナリスト
2001年ひまわり証券入社後、為替関連の市況ニュースの配信、レポートの執筆などFX業務に携わる。2011年、マネースクウェア・ジャパン(現マネースクエア)に入社。豪ドル、NZドル、カナダドル、トルコリラ、南アフリカランドを中心に分析し、レポート執筆のほか、M2TV出演、セミナー講師を務めている。
【プロフィール】広島県出身。
【趣味】野球・サッカー観戦。
【一言】より分かりやすくタイムリーなレポートを心掛けています。