吉田 恒スペシャルレポート

2017/03/20 09:43今週の注目通貨(米ドル/円)=米金利低下・米ドル安続く?鍵は米利上げ早期化左右する米株高の行方?!

◆要約◆
・FOMC利上げでも米ドル反落となったが、米長期金利上がり過ぎ修正への連動か。
・米ドル、米長期金利の行方で米株に注目。FOMC利上げ、米株高懸念が鍵の可能性。


◆なぜ米利上げでも米ドル反落だったのか?

注目された3月FOMCでは予想通り利上げが決定されましたが、米ドルは反落となりました。これは利上げ決定にもかかわらず、米金利、とくに10年債利回りなど長期金利が大きく低下した影響が大きかったと思います≪資料1参照≫

このレポートではこれまでも何度か指摘してきたように、米ドル/円はこのところ日米長期金利差との高い相関関係が続いていました≪資料2参照≫。その意味では、FOMC利上げでも、米長期金利が低下し、金利差米ドル優位縮小となる中で米ドル反落となったのは当然の結果といえるでしょう。

問題は、なぜ米利上げでも米長期金利低下となったのか。これについては、FOMCの今後の利上げ見通しが予想より「ハト派」だったからといった解説が一般的でしょう。ただ、米長期金利は5年MA(移動平均線)からのかい離率などで見ると、記録的な上がり過ぎとなっていました≪資料3参照≫。その意味では、上がり過ぎの反動が入りやすかった点は重要でしょう。

◆米金利の行方、鍵は米株か?

では、FOMC後の米長期気金利低下、米ドル下落はこの後も続くのでしょうか。それを考える上で、私は米株の動きに注目してみたいと考えています。

そもそも、米3月利上げ観測は、2月末頃から急に現実味を増したものでした。それは、金融政策を織り込むOIS(翌日物金利スワップ)レートが、2月末から急上昇したことでも確認できます≪資料4参照≫

ではなぜ、2月末から、米3月利上げ見通しが急に強まるところとなったのか。この一因は、米株高ではないかと私は考えました。行き過ぎた株高への警戒が、FOMCに利上げ早期化を判断させた一因ではないかということです。

その米株は、米3月利上げを警戒したのか、FOMCが近付く中で弱含みの推移となっていましたが、FOMC終了後は反発に転じました≪資料5参照≫再び米株高に向かうのか、それとも米株は下落に向かうのか、それはFOMC再利上げのタイミングにも影響を与える可能性があるのではないでしょうか

それを受けて、米長期金利の動きが決まり、そしてそれが米ドル/円の行方を決めるといった関係になるのではないでしょうか。(了)

≪資料1    =過去一か月の米10年債利回り≫

(出所:Bloomberg)

≪資料2=米ドル/円と日米10年債利回り差 (2016年7月-)≫

(出所:投資判断インディケーター)

≪資料3=米10年債利回りの5年MAからのかい離率 (1990年-)≫

(出所:投資判断インディケーター)

≪資料4=米政策金利とOIS (2017年-)≫

(出所:投資判断インディケーター)

≪資料5=過去1か月のNYダウ≫

(出所:Bloomberg)

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