吉田 恒スペシャルレポート

2016/07/25 09:19今週の注目通貨(ドル円)=秋に110円前後、その前に日米金融会合で円安一服の理由とは?

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◆要約◆
・90日MAとの関係からすると、日米金融会合のリスクは米利上げ警戒再燃の米株下落か。
・ドル下がり過ぎ修正で秋に110円前後の見通し。今週はその前の一息つくきっかけになるか。


◆日米金融会合でドル円はどうなる?

 
 今週は水曜日にFOMC、そして金曜日には日銀といった具合に、日米金融政策会合が予定されています。ではこれを受けて、ドル円はどう動くかについて、今回は考えてみたいと思います。
 FOMCについては、今後の利上げ再開見通し、一方日銀は追加緩和が一般的な焦点でしょう。ではこれまでのところ、マーケットはそれをどのように織り込み、どんなふうに反応するリスクが大きいでしょうか。

≪資料1≫

(出所:Ⅿ2J 投資判断インディケーター)

まずは、FOMCとNYダウの関係を見てみましょう。90日MA(移動平均線)からのかい離率を見ると、NYダウは上がり過ぎ懸念が再拡大してきたようです≪資料1参照≫。これは普通、NYダウは米利上げへの警戒感が薄い可能性を示すものでしょう。
そうであれば、FOMCが予想通り米利上げに慎重となれば、米株高傾向は続く可能性がありますが、逆に予想外に利上げの可能性を示唆するようなら上がり過ぎの反動で米株が大きく下がる可能性があるのではないでしょうか。

 次に日銀会合とドル円の関係を見てみましょう。90日MAとの関係を見ると、ドル円は最近にかけてドル下がり過ぎ、別な言い方をすると、行き過ぎたドル安・円高の修正が急ピッチで展開してきたことを示しています≪資料2参照≫
 これは日銀の追加緩和への警戒、とくにいわゆるヘリコプターマネーと呼ばれる「究極の金融緩和」への警戒を受けた動きでしょう。実際にヘリマネなど「究極の金融緩和」はもちろん、追加緩和が決定されればドル下がり過ぎのさらなる修正、そしてドル上がり過ぎ拡大で一段とドル高・円安に進む可能性はあるでしょう。
 一方で、追加緩和が期待外れになったら大きく円高になるでしょうか。それは、上述のようなドル下がり過ぎ再拡大に向かうということですが、すでにドル下がり過ぎ、別な言い方をすると行き過ぎたドル安・円高の動きが、さらに拡大するのは、普通なら自ずと限度があるのではないでしょうか。

≪資料2≫

(出所:Ⅿ2J 投資判断インディケーター)

 このドル下がり過ぎということは、52週MAからのかい離率で見ると、なお記録的な状況が続いているといえそうです≪資料3参照≫。同かい離率によると、今回100円前後までドル安・円高となった局面では、2008年リーマンショック以来のドル下がり過ぎとなりましたが、まだその修正が小幅に進んだ程度といえそうです。
 ちなみに、リーマンショック局面での記録的な下がり過ぎ修正で、ドルは4-5ヶ月で10%以上の反発に向かいました。それを参考にすると、今回も秋にかけて110円前後までドル高・円安に戻すプロセスの途上といった見方になりますが、果たしてどうでしょうか。

≪資料3≫

(出所:Ⅿ2J 投資判断インディケーター)

 足元のドル高・円安は、これまで述べてきた100円からのドル下がり過ぎ修正とともに、5月に入ってからのドルの総合的な反発傾向と重なった動きといった視点も必要かもしれません。1月末から続いてきたドルの総合力を示す実効相場の下落は4月末に底打ち、先週まで反発傾向が続いてきました≪資料4参照≫
 ただそんなドル実効相場反発は、52週MAに急接近してきました。経験的には一時的な上昇なら、52週MA前後までがせいぜいというのが基本。その意味ではドル実効相場の反発は最終局面に近付いている可能性がありそうです。
 以上をまとめると、リーマンショック並みの記録的な下がり過ぎ修正に伴うドル高・円安は秋にかけて110円前後まで続く可能性があるものの、その前に7月に入ってから100円から一気に107円程度までドル高・円安となった動きが一息つく可能性はありそうです。今週の日米金融会合というイベントは、そういった短中期見通しのきっかけになるかが注目されるのではないでしょうか。(了)

≪資料4≫


(出所:Ⅿ2J 投資判断インディケーター)

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【マーケットスクウェア】
先週金曜日(7/22)は、「日米の金融政策」について解説いたしました。
動画をお見逃しの方は是非ご覧ください。

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