吉田 恒スペシャルレポート

2016/06/27 09:52今週の注目通貨(ドル円)= リーマンショックに匹敵した「英国ショック」のドル下がり過ぎ

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◆要約◆
・100円割れのドル安・円高は90日MAや52週MAとの関係からリーマンS並み。
・ただ株安、米利下げへ転換の可能性などから、円安見込みにくい状況続きそう。


◆100円割れはリーマンショック並みのドル下がり過ぎ

注目された23日の英国民投票で、EU離脱が多数となったことをきっかけに、ドル円は一時99円割れまでドル安・円高が急加速しました。その後は102円台に戻しましたが、大荒れのドル円を中心とした為替相場が、この先どうなるかについて、今回は考えてみたいと思います。
 
一時100円割れとなったドル安・円高は、さすがに記録的なドル下がり過ぎといえそうです。たとえば、90日MA(移動平均線)からのかい離率は、102円だとマイナス7%程度、99円だとマイナス10%程度という計算になります≪資料1参照≫

2008年リーマンショックの急落相場では、同かい離率がマイナス10%以上に拡大しましたが、その意味では一気に100円を大きく下回るドル安・円高になった動きは、リーマンショック並みのドル下がり過ぎといえそうです。

次に52週MAからのかい離率も見てみましょう。同かい離率は、102円でマイナス12%、99円だとマイナス15%程度といった計算になります≪資料2参照≫。リーマンショック当時のマイナスかい離率最高はマイナス13%程度だった(日足終値)ので、やはり足元で100円を下回るドル安・円高は、すでにリーマンショック並みのドル下がり過ぎということでしょう。

以上からすると、今回の「英国ショック」のドル安・円高も、何かのきっかけでいつ一段落してもおかしくないでしょう。また、上述のリーマンショック当時のドル下がり過ぎが一段落した後は、10%以上のドル反発となったので、今回も下がり過ぎの反動が広がる中で105円以上へのドル反発が起こる可能性は出てくるのかもしれません

◆株続落リスク、米ゼロ金利復活の可能性も=円安見込みにくい

「英国ショック」の余韻が冷めない中では、ドル安・円高の一段落も、ましてや下がり過ぎ修正のドル反発も想像しにくいというのが正直なところでしょう。

24日は日経平均が1千円以上の暴落となるなど、世界株同時暴落の「暗黒の金曜日」となってしまいましたが、これは「世界的に成長が抑制されるとの見方」(25日付けブルームバーグ)によるとされます。

「英国ショック」前から下がっていたドル円と対照的に、NYダウなどは最高値圏に近い水準で推移していたわけですから、「株安は始まったばかり」で続落余地はまだまだ大きいのかもしれません。

また、FOMCは6月にこの英国のEU離脱問題を主因に利上げを見送りましたが、EU離脱が現実化したことで当面の利上げは全く見通せなくなってしまったでしょう。それどころか、株安などの動向次第ではゼロ金利復活といった利下げの可能性もでてくるのではないでしょうか

以上のように、株安や米金融政策の見通しを考えると、リスクオンに復帰し、円安に大きく戻る見通しはとても描けないところでしょう。それでも、ドル下がり過ぎを極め、その修正でドル高・円安へどこまで戻すことになるかが、この先試されるところとなるのでしょう。(了)

≪資料1≫

≪資料2≫
 
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先週金曜日は、緊急特集「英EU離脱の余波は?注目点と相場展望」について解説いたしました。
動画をお見逃しの方は是非ご覧ください。

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