吉田 恒スペシャルレポート

2016/08/29 09:00今週の注目通貨(ドル円)=米早期利上げ観測拡大なら一段とドル高・円安広がる可能性も?!

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◆要約◆
・最近のドル円は株より金利と連動。米早期利上げ観測拡大なら一段のドル高・円安も?!
・ドル円は52週MAとの関係で下がり過ぎ。類似局面参考ならドル反発弾みつき易い?!


◆ポスト・ジャクソンホールのドル円を予想する

 26日のイエレンFRB議長によるジャクソンホール講演や、フィッシャーFRB副議長の発言などを受けて、9月FOMCでも利上げが行われるのではないかとの見方が拡大してきました。
 最近の傾向からすると、ドル円は米金利上昇、日米金利差ドル優位拡大には、素直にドル高・円安へ反応する可能性が高いのではないでしょうか。ドル円は、4月末頃から、日米2年債利回り差との相関関係が強くなっているので、その関係が変わりなければ、米早期利上げ観測を受けて、ドル円は105円のドル高・円安を目指す可能性もあるのではないでしょうか≪資料1参照≫
 かりにそんな米早期利上げ観測を嫌気する形で、株安、リスクオフ拡大となったら、「安全資産の円買い」が円安を抑制するのでしょうか。ただ最近は株とドル円の相関関係が薄れています≪資料2参照≫。もちろんリスクオフの程度次第ではあるでしょうが、かりに「米金利上昇=株安」となった場合、ドル円は金利の影響からドル高・円安に動く可能性を注目してみたいと思います。

 そもそも、今年初めの120円から6月にかけて一気に100円割れとなったドル安・円高は、52週MA(移動平均線)との関係などを見るとドル下がり過ぎの可能性がありました≪資料3参照≫。米早期利上げ観測に伴う米金利上昇は、そんなドル下がり過ぎ修正のきっかけになりやすいでしょう。
 ところで、ドルは7月初めにかけて52週MAを13%以上も下回りました。これは2008年3月、12月と並ぶドル下がり過ぎでしたが、この過去2回のドル下がり過ぎ修正局面では、8週目以降、ドル上昇が加速に向かっていました≪資料4参照≫。これを参考にしても、下がり過ぎ修正のドル高は、弾みがつきやすいタイミングを迎えている可能性があるのかもしれません。

 今週は金曜日に注目の米8月雇用統計発表が予定されています。これらの結果を受けて、米早期利上げ観測はまだまだ一喜一憂する可能性はあるのでしょう。
 この数か月のドル円は、これまでより米金利の影響が大きくなる一方で、長く続いてきた株との相関関係にかい離が目立ってきました。これがこの先も続くようなら、ドル円の行方を考える上では、これまで以上に株より米金利に注意を払う意識を持つことが必要なのかもしれません。(了)

≪資料1=ドル円と日米2年債利回り差(2016/1〜8)≫

≪資料2=ドル円と日経平均(2012/1〜2016/8)≫
 
≪資料3=ドル円の52週MAからのかい離率(2000/1〜2016/8)≫
 
(出所:M2J 投資判断インディケーター)

≪資料4≫
 
(出所:Bloomberg)

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【マーケットスクウェア】
先週金曜日のマーケットスクウェアは、「来週(8/29〜)の注目点:米景気・物価の点検」について解説いたしました。動画をお見逃しの方は是非ご覧ください。

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