吉田 恒スペシャルレポート

2017/02/20 09:40今週の注目通貨(米ドル/円)=脱レンジ相場の鍵で米株に注目、「上がり過ぎ」修正はいつ始まるか?!

◆要約◆
・112-115円のレンジ相場継続か、新たな方向性の鍵は米株「上がり過ぎ」の行方か。
・金融セクター主導のNYダウ7連騰は金融規制緩和の影響を示すが、その転換は?

 
◆112-115円中心のレンジ相場は続くのか否か?
 
 米ドル/円は、約1か月112-115円中心の一進一退の展開が続いてきました≪資料1参照≫。ではこのレンジ相場はまだ続くのか、それとも新たな方向感が出るとしたら、それは米ドル安か米ドル高かといったことについて、今回は考えてみたいと思います。

 仮に新たな方向感が出るとしたら、鍵になるのは株ではないでしょうか。移動平均線からのかい離率などを見ると、米ドル/円や米金利に極端な行き過ぎ懸念はないのに対し、米株のみが「上がり過ぎ」懸念が広がり出しました≪資料2、3参照≫。その意味では、米株「上がり過ぎ」が続くかが、目先為替の方向感についても鍵になる可能性があるのではないでしょうか。
それにしても、なぜ米ドル/円や米金利が方向感を欠いた展開が比較的長く続く中で、米株は上がり過ぎ懸念を拡大するところとなってきたのでしょうか。その背景にはもちろん米景気の好調があるでしょう。ただ一方で、米早期利上げ観測の拡大や、トランプ政権を巡る混乱など、株価が嫌気する可能性のある材料もありましたが、それには比較的鈍感でここまで来ました。

最近にかけて、新たに株式市場が期待を強めた要因として、トランプ政権の「驚異的な税制改革」(トランプ大統領)があるでしょう。これは今月下旬のトランプ大統領による予算教書発表で明らかになると見られていますが、ではそんな「トランプ減税」期待の米株「上がり過ぎ」は、それを見極めるまでまだ続くのでしょうか。
もう一つ、株式市場が最近にかけて新たに期待を強めた材料として、トランプ大統領が金融規制緩和の大統領令に署名したことがあるでしょう。いわゆるドッド・フランク法の見直しです。
これについて、先週、新たな動きとして注目されたのが、じつはFRBとの関係だったようです。規制緩和反対派と見られていた理事が退任すると報道され、さらにイエレン議長も重要な議会証言の中で、明確に否定することはありませんでした。こういった中、金融セクター主導でNYダウも7連騰となりました。

以上のように見ると、米株「上がり過ぎ」は、金融規制緩和への反応が大きかったのではないでしょうか。そうであれば、その手掛かり材料が一巡すれば、いつ「上がり過ぎ」修正で株安拡大に向かってもおかしくないのではないでしょうか。では、それと為替の関係はどのように考えたら良いか。
米ドル/円は基本的に日米金利差と相関性の高い状況が続いています≪資料4参照≫。このため、米株の「上がり過ぎ」が続き、金利差米ドル優位に大きな変化がなければ、米ドル/円もこの間のレンジ中心の底固い展開に著変ないでしょうが、かりに米株安拡大で米金利も低下に向かうようなら、レンジを米ドルが割り込む可能性もあるのではないでしょうか。(了)

≪資料1 =米ドル/円の日足チャート・90日MAからのかい離率(2016年12月下旬-)≫
 
(出所:M2J FXチャート)

≪資料2=NYダウの120日MAからのかい離率 (2010年-)≫
 
(出所:M2J FX投資判断インディケーター)

≪資料3=NYダウの52週MAからのかい離率 (2000年-)≫
 
(出所:M2J FX投資判断インディケーター)

≪資料4=米ドル/円と日米10年債利回り差(2016年7月-)≫
 
(出所:M2J FX投資判断インディケーター)

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