吉田 恒スペシャルレポート

2016/11/28 09:14今週の注目通貨(ドル円)=年内は円安続くが、年明け以降は円高再燃もありうる「米大統領選パターン」

◆要約◆
・米大統領選挙後の大相場はパターン通りだが、翌春にかけて続くかは五分五分。
・年明け3月末は、トランプ次期政権に円高への政治的意思なければ円安傾向に。

◆米大統領選挙とドル円の関係を考える

 ドルは、米大統領選挙でのトランプ氏勝利を受けて一段高となりました。10月初めに101円だったドル円は、先週末は114円近くまでドル高・円安となったわけです≪資料1参照≫
 このような米大統領選挙を前後し、それまでの小動きから一方向へドル円が動き出すのは、これまでも何度か述べてきたように、決して今回に限ったことではありませんでした。選挙後に、ドル一段高となった今回の動きは、基本的には米大統領選挙後のパターン通りだったともいえそうです。

 では、選挙後のそういったドル円の動きは、翌年以降、新たな米政権のスタートを先取りするものなのかといえば、実は必ずしもそうではなかったようです。2000年以降の米大統領選挙4回のドル円について、90日MAからのかい離率を調べたところ、12月末と翌年3月末でプラス、マイナスが一致したのは2回だけでした≪資料2参照≫
 これを参考にすると、米大統領選挙後にドル円は一方向に動くものの、それが翌年以降のトレンドを先取りした確率は、じつは五分五分だったようです。要するに、今回のトランプ・ラリーが、年明け以降も続くかは五分五分にすぎないのかもしれません。

 一方で、大統領選挙の翌年3月末のドル円は、2000年以降は選挙前の9月末に比べて全て上回っていました。実は、選挙前より、翌年3月末にドル安になったのは1993年のクリントン政権発足時まで遡る必要があります。
 クリントン政権は、ポスト冷戦の貿易不均衡解消で円高・ドル安を要求する強い政治的目標がありました。別な言い方をすると、そんな政治的な円高の強い意志があった例を除くと、米大統領選挙から半年近く経過したところではドル高・円安傾向になっているのが普通だったようです。

 以上のように、今回は米大統領選挙とドル円の関係について考えてきました。それによると、今回の選挙後のドル高・円安「トランプ・ラリー」が、このまま年明け以降も続く確率はせいぜい五分五分のようです。
一方、トランプ次期政権にドル安・円高の強い政治的意思があるということでなければ、年明け3月末のドル円は、今年9月末の101円よりドル高・円安で推移している可能性が高いのではないでしょうか。(了)

≪資料1=ドル円と90日MA(2016年-)≫
 
(出所:M2J FX投資判断インディケーター)

≪資料2≫
 

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