市場調査部エクスプレス オセアニア・レポート

2017/03/20 15:58トルコ国債の格付け見通し引き下げもトルコリラ/円への影響は限定的。ただ、トルコリラは上値の重い展開が続く可能性も

[レビュー]

20日東京時間の外国為替市場は、動意に欠ける展開。米ドル/円は先週終値の112.50円付近でもみ合いとなりました。豪ドル、NZドルも小幅の上昇にとどまりました。

日本時間18日午前5時ごろ、ムーディーズがトルコ国債の格付け見通しを「安定的」から「ネガティブ」に引き下げました。発表当初こそ下落したトルコリラでしたが、本日の値動きは限定的となりました。

[これからの展開]

ムーディーズは昨年7月のクーデター未遂事件以降、不安定な政治情勢が続いていることを背景にトルコ国債の格付け見通しを引き下げました(格付けはBa1(※)に据え置き)。

(※)Ba1は投資適格級とされるBaa1の1段階下にあたり、「投機的」、いわゆるジャンク債に分類される。

ムーディーズは、政治的、地政学的要因がトルコリラ安をもたらし、高いインフレ率をもたらしているとの見解を示しました。トルコの2月のCPIは10.13%と、前回1月の9.22%から伸びが加速しました。

また、ムーディーズは4月16日に予定されている大統領の権限を強化するための国民投票は、与党AKPとその他勢力との分断を招くと言及。7月以降続けている粛清は国家の管理能力を弱らせ、民間部門にも損失が及ぶとして懸念を示しました。

トルコリラは、TCMB(トルコ中銀)が16日の前回会合で事実上の政策金利の上限となっている後期流動性貸出金利を11.00%から11.75%へ引き上げたことで、足元では底堅さを見せています。ただ、直近ではオランダ政府がトルコ政府関係者の入国を拒否するなど、EUとの関係も悪化しています。エルドアン大統領の独裁化への懸念、高いインフレ率やEUとの関係悪化などを背景に、トルコリラは上値の重い展開がしばらく続くかもしれません。

(市場調査部)

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