市場調査部エクスプレス スポットコメント

2016/12/02 08:41イタリアの国民投票は為替相場の波乱要因となるか?

4日のイタリアの国民投票(後述)は、憲法改正が否決される可能性がやや高そうです。結果に応じて以下のようなシナリオが想定されます。

(1)    大差での否決⇒政局流動化、早期総選挙、リスクオフ、ユーロ安
(2)    小差での否決⇒レンツィ政権または暫定政権、総選挙先送り、ユーロ小幅安
(3)    可決⇒レンツィ政権維持、改革期待、銀行支援前進、株高・ユーロ高

(※)否決の場合、レンツィ政権の後継がどのような形になるか決まるまで数日かかるかもしれません。それでも、週明け5日の為替相場が反応する可能性はあり、注意が必要でしょう。

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<以下はマンスリー・アウトルック12月号より抜粋>

12月4日、イタリアの国民投票が実施されます。これは、憲法を改正して、(1)上院の議席を減らし、権限を縮小させること、(2)地方政府を簡素化して中央政府との重複を解消することの是非を問うものです。
現在のイタリア議会では、上院と下院が同等の権限を持っており、両院を同一の条文の法案が通過しない限り、立法化できません。そのため、多くの改革に時間がかかり、あるいは日の目をみないこともあるからです。レンツィ首相は憲法を改正したうえで、法人税減税や銀行制度健全化などの成長戦略を推進しようとしています。

現時点で、憲法改正の反対派が勢いを増しているようです。レンツィ首相は「No」が勝利した場合には辞任する意向を表明しています。その場合に政局が流動化して2017年早々に総選挙が実施される可能性が出てきます(実施期限は2018年初)。そこで、反EUのポピュリスト政党である「五つ星運動」が勢力を増すようであれば、英国に続くEU離脱の機運が高まるかもしれません。

2017年には、フランスやドイツ、オランダでも総選挙が予定されており、イタリアの政治情勢から影響を受ける可能性もあります。また、今年12月4日にはオーストリアの大統領選挙も予定されています。5月に敗れた極右の自由党ホーファー候補が今回のやり直し選挙では勝利するかもしれません。オーストリアの大統領には儀礼的な役割しかありませんが、「流れ」という意味で、こちらも注目されるところです。

(チーフエコノミスト 西田明弘)

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