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2017/09/13法人税15%は難しそう、米税制改革の行方

朝鮮半島の緊張、ハリケーン被害、そして政治不安。株式にとってネガティブな材料が多いにもかかわらず、ニューヨーク株式相場は過去最高値水準を維持しています。10%程度の調整(下げ)を伴わない上昇基調が記録的な長さになっています。

あまりにも長くブル(強気)相場が続くので、「近く大幅な調整がある」「バブルだ」などと警戒する投資家が増えています。しかし、ゴールドマンサックスのアナリストは、「警戒する投資家があまりにも多いので、逆に下がらない」とみているそうです。

株価を支えているのは、トランプ政権による税制の全面見直しへの期待です。トランプ大統領と与党・共和党の関係がギクシャクしているので、税制改革は来年に持ち越されるのではないか、ということでウォール街関係者の期待がやや後退したのですが、ムニューシン財務長官は年内の実現にあらためて自信を示しました。

CNBC が主催した12 日のイベントに参加したムニューシン財務長官は、医療保険制度の審議に時間がかかり遅れているが、年末までに税制改革が成立するとの見通しを示しました。新たな税制は2017 年1 月までさかのぼって適用されるとしています。

ウォール街が注目している法人税の引き下げについてムニューシン財務長官は、トランプ大統領が主張している現行の税率35%から15%への引き下げの実現は難しいとの考えを明らかにしました。予算問題などを踏まえると達成できない可能性があるとのことです。ただ、国際的に競争力がある水準にすると述べました。

法人税の大幅引き下げは財政赤字の拡大を招くと議会が懸念しています。身内の共和党でも慎重な意見が少なくありません。議会が主張している23から25%程度に落ち着く可能性があります。

ムニューシン財務長官は12 日、共和党幹部と税制改革を協議しました。一方、トランプ大統領は12 日夜、ホワイトハウスに超党派議員を招き、夕食を挟んで税制改革への協力を求める方針です。また、上院の金融委員会は、14 日に個人の所得税に関し公聴会を開く予定です。税制改革をめぐる動きが活発化しています。

税制見直しの行方がニューヨーク株式相場に大きく影響しそうです。

[September 12, 2017] No 031843734

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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