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2017/08/12マーケット: 来週、米ドル下値探るか

「米ドル全面安」

11日の欧米の外国為替マーケットでは、米ドルが売られました。

アメリカの7月の消費者物価指数が予想を下回ったことが影響しました。FRBが年内の追加利上げを見送るとの観測が広がりました。米国債利回りが低下、米ドル売りを誘いました。

米ドルは対円で一時108円後半に下落しました。朝鮮半島の緊張を背景に逃避資金が円相場を押し上げました。ただ、ロシアのラブロフ外相の「中国と北朝鮮問題の解決を模索している」との発言を受け、米ドルがやや下げ幅を縮めました。

ユーロは対米ドル、対円で上昇しました。英ポンドは対米ドルで小幅高、対円で141円台後半に下落しました。

トルコリラは対米ドルで上昇、対円ではほぼ横ばいでした。南アフリカランドは対円で安く取引されました。

原油価格が反発。カナダドルが高く推移しました。

豪ドルとNZドルは、それぞれ対米ドル、対円で堅調でした。

「朝鮮半島情勢」

来週の外国為替マーケットでは引き続き朝鮮半島情勢が相場に影響する可能性があります。北朝鮮は「グアム攻撃計画を8月中旬にまとめる」と主張しています。来週15日の「祖国解放記念日」に北朝鮮が行動を起こすとの見方もあります。

アメリカの経済指標では、小売売上高、ニューヨーク連銀とフィラデルフィア地区連銀の製造業景気指数、そして鉱工業生産などが発表されます。16日にはFRBが会合議事録を公表。また、ダラスとミネアポリス地区連銀の総裁が来週、それぞれ講演を予定しています。

ロイタージャパンは、来週の米ドル/円について、北朝鮮への懸念が拭えず、アメリカの経済指標が低調であれば108円台への下落も視野に入るとする見通し記事を配信しました。この時期は夏季休暇の日本企業が多く、輸入企業の米ドル買いが手薄になるとしています。レンジは、米ドル/円が108円50銭〜111円50銭、ユーロ/米ドルは1.1600 〜1.1850と予想しました。

チャートでは、米ドル/円が4月20日の下値108円80銭近辺を本格的に突破すれば、次は4月安値の108円20銭近辺が節目。その先は107円80銭付近が米ドルの支持線になることを示しています。米ドルの上値めどは109円60銭近辺、その先は心理的な節目の110円であることを示唆しています。

スコシアバンクは、円に関するレポートの中で、テクニカル的に米ドル/円が110円を割ったことは重要で、マーケット全体のムード、季節要因、そしてポジション状況からみて円が一段高になる可能性があるとコメントしました。

BKアセットマネージメントのストラテジストは、米朝が戦争を宣言した場合、米ドル/円が105円に急落する可能性があるとコメントしました。しかし、アメリカが早期に勝利、108円〜108円50銭が「ボトムライン」だとしています。さらに、米朝衝突は、豪ドルとNZドルを大きく押し下げそうだとの見通しを示しました。

一方、モルガンスタンレーは、ユーロの対米ドル相場が来年1.25まで上昇すると予想しました。ストラテジストがブルームバーグTVに対し、英ポンドが出遅れ、ユーロの対英ポンド相場がパリティ(1.0)になりそうだとコメントしました。

英ポンドに関しては、来週、イギリスの消費者物価指数、雇用統計、小売売上高など材料が豊富です。

NZドルをめぐっては、14日のニュージーランドの小売売上高、そして15日の乳製品のオークションが相場に影響する可能性があります。豪ドルに関しては、15日公表の中銀の議事録とオーストラリアの雇用統計が注目です。

「米株、小幅反発」

11日のヨーロッパの株式相場は続落しました。朝鮮半島の緊張を嫌気したアジア市場の流れを引き続きました。ロンドンのFTSEは79ポイント下げました。

ニューヨーク株式相場は4日ぶりに小幅ながら上昇しました。消費者物価指数が予想に届かず、早期利上げ期待が後退しました。上げ幅は限定的、ダウは14ポイント高でした。

ニューヨーク原油相場は0.47%高の48米ドル82セント。金相場は0.30%高の1294米ドルでした。

NY時間11日 午後4時、東京時間12日午前5時時点の状況です。

[August 11, 2017]  No 031843712

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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