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2017/09/23マーケット: 来週、米ドル/円はどうか

「方向感欠ける」

22日の欧米の外国為替マーケットは、全体的に方向感に欠ける展開でした。

朝鮮半島の緊張を受け、東京マーケットで米ドルが対円で111円台に下落しました。ニューヨークでは112円台に戻しました。米国債の利回りが低下しましたが、影響は限定的でした。

朝鮮半島情勢をきっかけにした利益確定の米ドル売りが一巡したとの指摘がありました。北朝鮮問題に対する相場の耐性がついてきたとの見方もあります。

ユーロは対米ドルでほぼ横ばい。対円では軟調でした。

英ポンドは下落しました。メイ首相がブレグジット(イギリスのEU離脱)に関する演説をしましたが、詳細に欠け、失望感を誘いました。英ポンドは対円で151円台半ばまで売られました。

南アフリカランドは対米ドルで小幅続伸。対円では横ばいでした。トルコリラの対円相場はやや軟調でした。

カナダドルの対円相場は下落しました。カナダの8月の消費者物価指数は予想を小幅ながら下回りました。

前日に売られた豪ドルは小動き。NZドルは対米ドルで小幅高、対円で横ばいでした。

「米税制改革とFRB」

来週の外国為替マーケットでは、アメリカの税制改革や金融政策をめぐる思惑が相場に影響しそうです。

共和党下院のライアン委員長が25日に税制改革案を発表する見通し。税制改革をめぐる議論が活発化します。26日には、FRBのイエレン議長が講演を予定。インフレと金融政策がテーマです。FRBの12月利上げの可能性を占う上で、来週27日のアメリカの耐久財受注や29日発表のPCEコアデフレーターも注目されています。一方、日本では安倍首相が25日に解散総選挙に関し記者会見する見通しです。

ロイタージャパンは、来週の米ドル/円について、北朝鮮リスクが警戒されるものの、日米金融政策のギャップが下支えするとみられ、加えて日本の政策やアメリカの税制改革に期待が高まれば、113円台に上昇する可能性があるとの見通しを配信しました。レンジは、米ドル/円が110円50銭〜113円50銭、ユーロ/米ドルは1.1800米ドル〜1.2100米ドルと予想しました。

スコシアバンクは、テクニカル分析では米ドルの対円相場は短期的にブル(強気)を示しているとした上で、米ドルが109円90銭を割ると下げがやや拡大、112円30銭を超えて上昇すると米ドル高基調になるとコメントしました。

24日にドイツで総選挙が実施されます。メルケル首相が4期目を果たし、ユーロ高になるとの見通しがあります。ただ、CNBCによりますと、ユーロが導入された1999年以降にドイツで4回の選挙がありましたが、いずれも選挙後にユーロが売られました。

マーケットウォッチによりますと、バンクオブアメリカ・メリルリンチのアナリストは、今週のFOMCを受け、ユーロの対米ドル相場が年末に1.15米ドルまで下落するとの予想に自信がついたと顧客向けメモでコメントしました。

一方、ニュージーランドの総選挙は23日。選挙結果が週明けのNZドルに大きく影響しそうです。与党の国民党が勝てばNZドルが買われ、野党の労働党が勝てばNZドルが売られるとの見方が優勢です。また、来週28日には、ニュージーランドの中央銀行が政策金利を発表します。1.75%の政策金利を据え置くと予想されています。声明がNZドルの材料になるとみられます。

来週29日金曜日は月末であり、四半期末でもあります。第3四半期(7-9月)は、ユーロ高、英ポンドの上昇が目立ちました。利益を確定するユーロ売りなどが季節的に出やすいとの指摘があります。

「米株まちまち」

22日のヨーロッパの株式相場はまちまちでした。ロンドンのFTSEは46ポイント高、フランクフルトのDAXは7ポイント下げました。

ニューヨーク株式相場はまちまち。朝鮮半島情勢が重石となりましたが、下げ幅は限定的でした。ダウは小幅ながら続落。S&P500とナスダックは小幅高でした。個別には、iPhone8を発売したアップルが5日続落しました。

ニューヨーク原油相場は0.22%高の50米ドル66セント。OPECの加盟国と非加盟国の閣僚級の合同監視委員会がウィーンで開かれました。2018年3月に期限を迎える減産措置の延長について意見が分かれました。

金相場は0.21%安の1297米ドルでした。

NY時間22日 午後4時、東京時間23日午前5時時点の状況です。

[September 22, 2017]  No 031843740

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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