2分でわかるアメリカ

2017/03/25マーケット: 来週の米ドルはどう動くか

「乱高下」

24日の欧米の外国為替マーケットは、アメリカの下院での医療保険制度改革(オバマケア)の改廃法案に関する採決をめぐる展開が影響し、乱高下しました。

米ドルは対円で一時110円台半ばに下落しました。しかし、ライアン下院議長が、トランプ大統領と会談後に法案を取り下げたと伝えられたことを受け、米ドルが買い戻されました。米2年債は小動き、米10年債の利回りは低下しました。アメリカの2月の耐久財受注は予想を上回りました。

ユーロは対ドルで小幅上昇しました。対円で高く取引されました。ECBのチーフエコノミストを務めるブラート専務理事が、イタリアの新聞のインタビューで、金融緩和を継続する姿勢を示しました。

英ポンドは対米ドルで軟調。対円相場では横ばいでした。

トルコリラの対円相場は上昇。南アフリカランドは対円でほぼ横ばいでした。

カナダドルは対円で小幅高でした。

豪ドルとNZドルはそれぞれ小動きでした。終盤は堅調に推移しました。

「政治と季節要因」

来週は政治問題が引き続き材料になりそうです。特に、トランプ大統領の政策運営能力に対する懐疑的な見方がどう変化するかが米ドル相場を動かすことになりそうです。トランプ大統領が主導する形で下院共和党が進めた医療保険制度改革の改廃が失敗しましたが、トランプ大統領がどう切り替えるかが注目です。

ロイタージャパンは、トランプ政権の運営能力への疑問に加え、日本の森友学園の問題が安倍政権に打撃となるリスクも意識され始めていると伝えました。来週の米ドル/円については、下値リスクが警戒されているとの見通しを配信しました。レンジについては、米ドル/円が109円50銭〜112円50銭、ユーロ/米ドルは1.0600米ドル 〜1.0900米ドルと予想しました。

来週は多くの日本企業が会計年度末を迎えます。リバトリ(資金の本国への送金)が相場に影響する可能性があります。多くの欧米企業にとっては第1四半期末になります。

来週は1週間を通して、クリーブランド地区連銀のメスター総裁をはじめ、のべで12人のFRB幹部が発言する機会があります。BKアセットマネージメントのストラテジストは、FRBがタカ派なシグナルを出さない限り米ドルの買手がおらず、米ドルが対円で110円を割って下落する可能性があるとコメントしました。

29日には、イギリスのメイ首相がEUに離脱を正式に通告します。予定された動きで相場に織り込まれているとされていますが、通告後の離脱交渉の行方が不透明で、リスクがあらためて意識される可能性があります。英ポンドが軟化することも予想されます。

30日には、南アフリカの中央銀行が金融政策委員会を開きます。7%の政策金利を据え置くと予想されています。南アフリカランドは年初から堅調に推移、新興国通貨で最高のパフォーマンスを示しました。しかし、ケープタウン拠点のオールド・ミューチュアルのストラテジストは、ランドの上昇基調が終わりに近づいているとブルームバーグにコメントしました。

「米株、終盤に下げる」

24日のヨーロッパの株式相場はまちまちでした。医療保険改革をめぐるアメリカの下院の採決を控え積極的な取引が控えられました。

ニューヨーク株式相場は下落しました。医療保険改革制度(オバマケア)の改廃法案の採決をめぐり終盤に乱高下しました。ダウとS&P500は下落、ナスダックは上昇しました。

ニューヨーク原油相場は、週末のポジション調整で反発しました。終値は0.57%高の47米ドル97セント。

金相場は0.10%高の1248米ドルでした。

NY時間24日 午後4時、東京25日午前5時時点の状況です。

[March 24, 2017]  No 031843617

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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