週刊2分でわかる豪・NZ

2016/12/01NZドル見通しと豪のAAA

「米の影響受けそう」

年末が近づき2017年の見通しに関するレポートや記事が増えました。

Business Insiderによりますと、モルガン・スタンレーは、アメリカの大統領選後の米ドル高、金利上昇が2017年も継続すると予想しました。米ドル高の影響を最も受けるのは円だとしています。2017年の米ドル円は、四半期ごとに115円、119円、122円、125円と推移。そして2018年第2四半期には130円まで米ドル高円安が進むと見ています。

モルガン・スタンレーは、NZドルと豪ドルの対米ドル相場については弱気な見通しを示しました。アメリカの金利が上昇する中で、NZドルと豪ドルの対米ドル相場が当初は一定の水準で下げ止まる可能性があるが、いずれ大幅に下がるだろうとコメントしました。アメリカの金利上昇と中国経済の減速が背景だとしています。

一方、BNZ(Bank of New Zealand、中銀ではありません)は11月25日付のレポートの中で、現在0.70ドル近辺のNZドルの対米ドル相場が今年末までに0.72ドルまで上昇する可能性があるが、2017年の半ばまでに0.67ドルへ下落するとコメントしました。ニュージーランド経済が底堅いが、海外要因でNZドルが売られるだろうとしています。

BNZはまた、NZドルのクロス取引については、今後3〜6カ月は横ばいになると予想しました。対円、対豪ドル、対ユーロ、対ポンド、そして対人民元が含まれます。

「AAAが危ない」

「AAA(トリプルA)」を維持できるか。「真夏のクリスマス」を控えたオーストラリアでこのところ話題になっています。

ムーディーズ、S&P、そしてフィッチの世界の主要な格付け会社は、いずれもオーストラリアのソブリン格付けを最高のAAAに格付けしています。金利が抑えられ、政府、企業、消費者がその恩恵を受けています。

ムーディーズとフィッチの2社は、将来の見通しであるアウトルックについて「安定的」としています。しかし、S&Pは今年7月にアウトルックを「ネガティブ」に変更しました。

S&Pのソブリン債の幹部は先日、「オーストラリアがAAAを維持するかどうかは、政府が強い意志を持って予算と財政赤字を削減するかにかかっている」と発言しました。その上で、2020〜21年までに財政黒字にするとの政府予想が少しでも後退すれば、格下げする可能性があることを示唆しました。

そこで注目されるのが、12月19日にモリソン財務相が発表するオーストラリアの経済財政中間見通しです。モリソン財務相は最近、賃金の伸びの弱さと企業利益の伸びの鈍化が歳入の足かせになっていると述べています。

ブルームバーグによりますと、大手投資会社のブラックロックは、オーストラリアが今月中にもAAAの格付けを失うと予想しています。コモディティ相場の低迷が歳入に影響、今年の選挙で与党が過半数を1議席上回る議席しか確保できなかったため、ターンブル政権の財政改革が難しくなったことが背景だとしていました。

「中期的には豪ドル安との見方」

このところの豪ドル相場は方向感に欠ける展開が続いています。

ANZは28日付のレポートの中で、コモディティにけん引されたリフレ貿易の恩恵を受けるのか、それとも米ドルが法外な特権を持つ通貨として再び支配権を握るのか、という2つのシナリオに豪ドルが板挟みになっているとコメントしました。その上で、定着したレンジで推移しているが、トレーダーは米ドルの動向に引き続き反応する必要があるとしています。30日の欧米の豪ドル相場はその通りの展開でした。

ANZは、豪ドルの対米ドル相場の見通しについて、短期的には非常に不透明だが、中期的には豪ドル安になるだろうとコメントしました。2017年末までに対米ドルで0.68ドルまで下落すると見ています。
 
[December 01, 20.16 AN0066]

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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