週刊2分でわかる豪・NZ

2017/09/21NZドルと豪ドルの方向決める鍵

「住宅で公約合戦」

ニュージーランドで23日土曜日に総選挙が実施されます。今回の選挙の最大の焦点は住宅問題です。

ニュージーランドの住宅価格は、ここ数年、中国人の「爆買い」で急ピッチに上昇しました。しかし、最大都市オークランドの住宅価格は今年初めにピークに達し、その後は弱含んでいます。ただ、依然として価格が高く、一般の人が買えない水準で推移しています。

ニュージーランドの不動産インスティテュートが今週発表した不動産販売件数は5896件で、前年同月比で約20%減少しました。しかし、価格は上昇しました。

住宅不足を解消し、国民が適度な価格で住宅を買える。投機対象にしない。そのためにどうするか。各政党が異例の住宅問題に関する公約合戦を繰り広げています。ニュージーランドの主要紙ヘラルドが解説しました。

女性党首ジャシンダ・アーダーン氏が率いる労働党は、今後10年で10万戸の住宅を供給することを公約に掲げました。半分をオークランドに建設、住宅価格を40万〜60万NZドル(約3300万~4950万円)に抑えるとしています。

一方、イングリッシュ首相率いる与党・国民党は、オークランドに今後10年で2万6000戸の住宅を供給。価格は65万NZドル(約5362万円)未満にするとしています。労働党と比べ、国民党は現実路線の政策と言えます。

最大野党の労働党はまた、外国人の不動産購入を禁止することも公約しました。緑の党も外国人の購入禁止を公約に。一方、ニュージーランド・ファースト党は、住宅ローン金利を2%で25年固定することを公約に掲げました。

ワン・ニュース・コルマー・ブルントンが20日に発表した最新の世論調査では、与党・国民党が支持率を伸ばしました。支持率46%と、労働党の37%を大幅に上回りました。有権者が「安定」「現実論線」を好んでいる可能性があります。

世論調査を受け、20日の取引で、NZドルが対米ドルで上昇しました。対円相場は82円台半ばまで買われました。クロス取引のため、FRBの会合を受けた米ドル/円の大幅高が影響、NZドルは対円で急上昇しました。

乳製品のオークションが堅調でしたが、マーケットの材料は選挙。国民党が支持率を伸ばしたといっても接戦であることは変わりません。選挙結果をめぐる観測や、その後の政権をにらんだ展開が今週いっぱい続きそうです。選挙がNZドルの方向を決める鍵と言えます。国民党優勢と考えればNZドルは買い、労働党優勢もしくは少数政党が健闘するとの見通しが強まればNZドルが売られる構図です。

「豪国債利回り上昇」

豪ドルが今週堅調に推移しています。豪国債の利回りの上昇が背景。2015年終盤以降の最高水準になっています。

オーストラリアの中央銀行(RBA)は、金融政策の「中立」スタンスを維持しています。しかし、一部のエコノミストはRBAが2018年中に利上げに踏み切ると予想しています。ANZは、 最新の経済データが政策金利上向きリスクの強まりを示唆しているとコメントしました。来年0.25%ずつ2回、RBAが利上げすると予想しました。政策金利にタカ派な見方が、豪国債の利回りを押し上げています。

RBAのロウ総裁が21日、パースで講演を予定しています。「The Next Chapter(次の章)」というテーマ。豪ドル相場に影響しそうです。

豪ドルの方向を決める鍵となるのはRBAの金融政策。RBA幹部の発言や豪国債の利回りに敏感な相場が続くと予想されます。豪ドルの対米ドル相場は節目の0.80米ドルを超えると上値が重くなる状況が続いています。0.80米ドルを本格的に超えるかが注目。下値は堅いとみられています。クロス取引の対円相場は、米ドル/円の振れが大きいため、その影響を受けそうです。


[September 21, 2017 AN0108] 

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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