週刊2分でわかる豪・NZ

2017/01/19目先豪ドルは高く、年後半は安い?

「エスタブリッシュメントへの反発」

オーストラリアのメディアでは、アメリカのドナルド・トランプ次期大統領をめぐる報道が溢れています。従来からアメリカに関する報道が多いのですが、トランプ氏が勝利して以降、その傾向が強まりました。関心の高さを示しています。

政治経験がないトランプ氏を選んだアメリカの「ポピュリズム」の動きにも関心を寄せています。トランプ氏の勝利はエスタブリッシュメントへの反発。つまり、アメリカ人が既存の支配階級に反発した結果だとみられています。古いタイプ、従来型の政治からの変化を求めたということです。

オーストラリアでも類似した動きが出ています。

IPSOSが22カ国の1万6069人を対象にした調査では、エスタブリッシュメントへの反発が世界規模で広がっていることがわかりました。そして、オーストラリア人の70%以上が、支配階級から権力を取り戻す強いリーダーを求めているという結果が出ました。68%のオーストラリア人は一部の富裕層と権力者が経済を支配、普通の人は無視されていると考えていることもわかりました。アメリカ、日本、イギリスよりも高い数字。意外ですが、ブラジルよりも高水準でした。

資源が豊富で、経済が安定しているオーストラリアはラッキーカントリーと呼ばれます。オーストラリア人は幸福度が高いと思っていましたが、格差が広がり、不満を抱える人が多いのかもしれません。

「堅調な豪ドル」

マーケット全体の影響を受けながらも、豪ドルはこのところ比較的堅調に推移しています。主力輸出品の鉄鉱石と石炭の価格が上昇基調にあることが豪ドルを支えているとみられています。

去年11月のアメリカの大統領選以降、アメリカの金利上昇と米ドル高が急ピッチで進みましたが、年明け以降、その動きにやや変化が出ていることも豪ドル高につながっています。

ANZは、豪ドルが目先上昇する可能性があり、最近の高値を試す展開になると予想しているとコメントしました。ANZは、オーストラリア中銀(RBA)が1.5%の政策金利を据え置くと予想、ただ、緩和バイアスを保つと見ています。これを背景に、中期的には豪ドル安になると予想しています。

一方、NABは、16日付のレポートで従来の豪ドルの対米ドル、対円見通しを据え置きました。年後半に向け、緩やかに豪ドル安になるとの見方です。ただ、豪ドルの対英ポンド相場については、英ポンド安の方向で見通しを修正しました。ブレグジット(イギリスのEU離脱)をめぐる懸念が強まるとみているからです。

「やや慎重な見方も」

NZドルも、他の資源国通貨同様に、このところ堅調に推移しています。ただ、ANZは世界的な環境を慎重に見ていて、NZドルは当面、レンジで推移すると予想しています。ニュージーランド中銀(RBNZ)が第3四半期(7-9月)に利上げする可能性があると見ています。65%は相場に織り込まれているとしています。

外国為替相場は、20日に就任するアメリカのトランプ第45代大統領の発言に敏感になっています。ここに来て不透明感がやや強まり、相場のボラテイリティが高くなっています。豪ドルとNZドルは、引き続きマーケット全体の影響を受けることが予想されます。



 [January 19, 2017 AN0073]

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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