週刊2分でわかるNYダウ

NYダウ平均株価の情報をタイムリーに、より分かりやすくお伝えするレポート

2017/01/23 09:02最初の100日に注目

「ボギャブラリー不足?」

アメリカの第45代大統領の就任を祝うイベントが、20日夜、首都ワシントンの3カ所で開かれました。ドナルド・トランプ大統領の家族が車で移動、それぞれの会場で夫妻がダンスを披露しました。トランプ氏は70歳と高齢、クタクタになったのではないかと想像します。

CNN、FOXニュース、MSNBCの3つのニュースチャンネルが、20日午前の就任式から夜遅くのパーティ・イベントまで全て中継しました。その都度、トランプ氏が短いスピーチをするのですが、いずれも「アメリカ第一主義」を訴える単純なものでした。テレビを観ていた妻は、「トランプはボギャブラリーが足りないのではないか」とつぶやきました。

確かに。選挙戦から就任式まで、トランプ大統領は、雇用を海外から戻し、橋や道路をつくると主張しました。「アメリカ製品を買い、アメリカ人を雇用する」。通商、移民、税制、社会保障など幅広い分野を変えることを公約しました。ニューヨーク株式マーケットは、去年11月の選挙以降、公約への期待を背景に、急ピッチで上昇しました。

ただ、ここに来て、トランプ氏の公約に具体策が欠けていることへの不安が広がりました。就任式の週である先週、株式相場がパッとしなかったのは、マーケットが具体策を催促したためとも受け取れます。

ダウは先週、前週比で0.29%下落し、19827ドルで終えました。ファンドマネジャーらが重視するS&P500は0.15%安、テクノロジー株の寄与度が高いナスダックは0.34%下げました。株式マーケットが、トランプ大統領の就任に祝杯をあげることはありませんでした。「変化の予感はあるが、どのように変わるのかわからない」というのが投資家の本音だと思います。

「要人発言とGDP」

トランプ政権が今週、本格始動します。事実上の第1週目は、オバマケアと呼ばれる医療保険制度と通商政策の抜本的な見直し、そして減税や公共投資などの政策に着手するとみられます。トランプ大統領やペンス副大統領、ホワイトハウスの高官、そして、閣僚らの発言がマーケット全体に影響すると予想されています。

23日、サムスンが「ギャラクシー7ノート」の発火問題で記者会見を開きます。スマートフォンで競合するアップルや半導体メーカーなどの株価に影響する可能性があります。

決算発表では、25日のボーイングとAT&T、26日発表のマイクロソフト、アルファベット、フォード、そしてスターバックスが注目です。また、27日に公表されるアメリカの第4四半期のGDP速報値が相場に影響しそうです。

ダウは心理的な節目の20000ドルを直前に足踏みしています。期待を高める要人発言、もしくは強い決算や経済指標が発表された場合、大台を超える可能性があるとの指摘もあります。

「最初の100日」

大統領選から就任式までの株価の上昇率は、歴代の45人の大統領の中でトランプ氏は5位でした。マーケットの期待を反映したものです。ただ、就任までのパフォーマンスが、就任後も維持されないことを歴史が物語っています。就任後の最初の100日間が重要だと多く指摘されています。

バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチのエコノミストは、「米中関係の緊張が世界経済の脅威になる恐れがある」と警鐘を鳴らしています。エバーバンクの幹部は、「トランプ政権が最初の100日で公約をどこまで実現するかが重要だ」とフィナンシャル・タイムズにコメントしました。

3月末までのトランプ大統領の行動が、ニューヨーク株式相場だけではなく、米国債、米ドル相場の方向を決める可能性があります。バロンズは、株式相場のボラティリティが高くなりそうだと伝えました。


 [January 23, 2017 NY 033]

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【データ提供】

PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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