週刊2分でわかるNYダウ

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2017/03/20 08:40利下げ後のように反応した株式相場

「買いで反応」

ニューヨーク株式マーケットの注目を集めたFRBの金融政策を決める15日の会合では、予想通り政策金利を0.25%引き上げられました。

金利が上昇すると企業の負担が増えることなどから、政策金利の引き上げは株式相場にネガティブになる例が多くあります。しかし、FRBの声明が発表された直後、株式相場が上昇。イエレン議長の会見中に一段高になりました。

ウォール街では、今後のFRBの追加利上げペースが速まるとの見方がありましたが、声明とイエレン議長の記者会見はそれを裏切る形で「緩やかなペース」を強調しました。これが株高につながりました。

上昇率が高かったのは電力などの公共株と通信株でした。それぞれ株式配当が高い銘柄が多いセクターです。「まるで利下げした後のような反応だ」とのコメントがウォール街から聞こえました。

ただ、翌日の16日の相場は小幅ながら反落しました。ダウは週間ベースで0.06%の上昇。S&P500は0.24%高、ナスダックは0.67%上げて1週間を終えました。

去年の大統領選後の「トランプラリー」のような勢いはありません。投資家の迷いが相場で示されているように思えます。

「FRB高官の発言」

金融政策に関する発言が禁止される「ブラックアウト」期間が終わり、のべ10人のFRB高官が今週演説もしくはテレビ出演します。「のべ」と書いたのは、シカゴ地区連銀のエバンス総裁だけで今週3回も発言の機会があるからです。

最も注目されるのがアメリカ東部時間の23日午前8時にワシントンで予定されているイエレン議長の演説です。株式相場に影響する可能性があります。

CNBCによりますと、ゴールドマン・サックスは18日、顧客向けメモの中で、FRBが量的緩和(QE)で買い入れた政府証券や住宅ローン担保証券(MBS)を予想より早く売却する可能性があるとコメントしました。

FRBのイエレン議長とフィッシャー副議長の任期は2018年初めまで。トランプ大統領はFRBの人事を刷新すると発言していて、FRBトップ2の後任として共和党寄りのエコノミストが起用される可能性があります。また、共和党はFRBのQEに反対していました。これらを背景に、イエレン議長がバランスシートの調整に動きそうだとゴールドマン・サックスのアナリストはみています。

今週のアメリカの経済指標の発表は軽めです。ナイキなどが決算を発表、個別に動く可能性がありますが、相場全体ではFRB高官の発言が最も大きく影響しそうです。

また、パターン化しているトランプ大統領の朝と夕方の1日2回のツイートも引き続き株式相場に影響する可能性があります。

「税制改革」

当面の株式相場に大きく影響する可能性が高いのがトランプ政権の税制改革です。ムニューシン財務相は議会が夏休みで休会する前にまとまると述べています。あと5カ月。

バロンズの最新号の表紙と巻頭記事は「国境税をやめるべきだ」とするものでした。Border Adjustment Tax(国境税)は略してBATと呼ばれます。BATにより年間1000億米ドル(約11兆4000億円)の税収が増えると試算されているが、悪い考えだとしています。

トランプ大統領は現在35%の法人税を15%に引き下げると繰り返し主張しています。議会は20%への引き下げが適当だと考えていいます。税収が減った分を補うものの一つがBATとされていますが、バロンズは他の方法があると解説しました。また、法人税は22%がちょうどいいとしています。

医療保険改革の「トランプケア」とならぶトランプ政権の今年の二大テーマの一つである税制改革をめぐる議論が、当面の株式相場の方向を決める可能性があります。


 [March 20, 2017 NY 041]

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【データ提供】

PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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