岡村友哉の日経225ここだけの話

岡村友哉がお届けする一週間の予想レンジと市況情報。

2017/06/19 14:58日経225の変動率低下。今週はイベント少なく小動きか

日経225 現物指数 終値 19943.26円(6月16日)
安値 19755.34円(6月15日)/高値20015.16円(6月16日)

(日経225 日足チャート 25日線付)
期間:2017/1/1〜2017/6/16
 
(出所:Bloomberg)

(先週の振り返り)

日経225の週間変動率が前週比で1%未満・・・この状態が先週まで3週続いています。コミー前FBI長官の公聴会、ECB理事会、英総選挙で変化せず、日米の中央銀行イベントがあっても変化せず・・・。“だいたい2万円くらい”、そんな日経225。トレードチャンスはかなり少ないですね。消去法的に行き着いた先は、マザーズ銘柄など日本の新興市場で、人気銘柄の一角に異様な資金集中が起きてしまっているのも仕方なさそうです。

 週初12日(月)は、前週末に米国市場で起きたハイテク株の一斉安を嫌い、日経225は2万円を開始直後に割り込みます。足元の強い米株の裏付けはFANGと呼ばれる銘柄群を代表とするハイテク系企業の上昇にありました。これが、ゴールドマン・サックスの「FANGはミスプライスか?」と題するリポートを引き金に変調。アップルが1年5カ月ぶりの下落率となる3.87%安するなど、ナスダック指数が1.8%安に。日米とも、ハイテク株などグロース株が買われ、銀行などバリュー株が売られながら育った相場ですので、米国でのグロース株売りの流れはそのまま継承。ソフトバンク、東京エレクトロン、ファナック、TDKなどの下げが指数を押し下げ、一方で三井住友FGや東京海上、三菱商事などの上昇で幾分吸収する構図になりました。時価総額が大きい後者が買われる地合いのため、日経225が100円超の下げ幅になりながらもTOPIXがプラスに転じるといった場面も。前引けがTOPIXプラス、日経225マイナスのパターンですので、日銀ETF買いは入りませんでした。

 ここから15日(木)までジワジワ4日続落となります。米国の主力ハイテク株発のリスクオフムードもあり、米ドル/円も軟調。早朝に110円割れを見て始まった13日(火)ですが、この日の東京時間は自律反発の気配を示します。これは、時間外取引でアップルやアマゾンなどFANG銘柄群が小幅ながら上昇していたことを受け、ハイテク売りの一巡を先取る雰囲気があったためと見られます。とはいえ、ハイテク株の一角が売られるとバリュー株が買われ、ハイテク株が買い直されるとバリュー株が売られるだけで大きな資金流出入は起きません。前者のパターンでは日経225優位(NT倍率上昇)、後者ではTOPIX優位(NT倍率低下)になるだけ。翌14日(水)は、前日の米国市場でハイテク株が反発したことを受けてすかさず2万円台を回復。ただ、先物主導の下げで午前中に上げ幅を縮小し、FOMC目前のこの日も結局2万円に付かず離れずといった展開でした。

 FOMCでは、市場予想通り今年2回目となる0.25%の追加利上げを発表。意外感があったのは、FOMC声明文でバランスシートの縮小策について市場関係者が思っていたよりも具体的に書かれていたことでしょうか。時期は未定ながら、当初の毎月の債券償還額の上限を米国債60億ドル、住宅ローン担保証券で40億ドルとしていました。これを受けたマーケットは、米長期金利が上昇で反応。金利上昇を受け、金融株が買われ、NYダウは小幅高。一方で米ドル/円は一時108円台まで下落し、15日(木)の日経225は為替を嫌って安く始まりました。スタートは19760円。安いまま午前9時に現物市場も開始・・・その途端、先物に大口買いがバンバンと入り(米ドル/円も同時に上昇)、ほとんどの投資家が心の準備も出来ていないタイミングでプラス転換(夜間の高値と同じ19940円まで)。「なぜこんなに強いの?」とみんな首を傾げていたら、結局また下落(安値19720円)。マクロファンドなのかCTAなのか不明ですが、投機筋が仕掛けただけで「意味など何も無い動き」とディーラーからも冷めた声が聞かれました。ただ、そんな投機的な動きで前場にTOPIXが0.4%安となったら、きっちり午後は日銀のETF買いが発動。日銀買いで下げ幅を縮め、不毛な1日を終えます。

 週末15日(金)は、前日の米経済指標が強かったこともあり、米長期金利がやや上昇。NY時間には米ドル/円が111円台を付けていたことも手伝って、日経225は反発で始まります。ただ、米国市場でハイテク株売りの流れが再燃していましたが、週前半は連鎖売りの対象だったソフトバンク株が大きく上昇していました。日経225も月曜〜木曜まで4日続落、ソフトバンクも4日続落・・・単に週末を前に、月曜〜木曜に作られたポジションのアンワインドが進んだだけといえそうな動きです。その後は、注目度の低かった日銀会合の結果待ちでしたが、政策の現状維持が発表されたのは11時54分。ヘッドラインが流れた直後は米ドル/円も、日経225先物も無反応状態でしたが・・・唐突に現物の後場が始まる前(12時21分)に先物に大口買いが流入。この勢いのまま、現物市場の開始直後に、現物の日経225は今週の高値を更新します。いちおうイベントを通過したことを「買い」で反応しただけなのか、理由は不明ですが、この強引な高値は長続きせず・・・。結局は、この日の始値付近で取引を終了。なお、この日の東証1部の売買代金は3兆1900億円に膨らみました。ただ、その理由も大引けでFTSEの指数リバランスが発生したため。大引けラスト1分だけで9983億円も出来ており、イベント通過で売買が活発化したといった類のものではありません。

(今週の見通し)

 前週比で1%未満の変動率が3週続いていると前述しましたが、日々の変動率も小さくなっています。日経225の現物指数が前日比で1%動いた日を数えてみました。すると、5月は20営業日中わずか2営業日で、6月も13営業日中わずか2営業日。2016年は年間245営業日中、96営業日(確率39%)で1%以上の変動となっていましたので、明らかに変化率が乏しくなっています。これは、日銀が東京時間だけに買いインパクトを作り、下落に対する抵抗力を無駄に作った結果、価格の弾力性が失われたからだと思います。価格の弾力性が失われた日経225には、投資対象としての魅力は低下しますよね。オーバーナイトする意味が小さくなるため、日計りでポジションを閉じる(=ポジションの短期化)投資家が増えていることも想像されます。

動かなくなった日経225・・・債券市場のボラティリティが落ち、「債券の人は仕事が無くなったのでは?」と言われていましたが、日経225も同じような状態になりつつあります。流動性が高く、ワンティック10円幅で動く日経225は、短期筋にとって人気(需要)がありました。ただ、値動きの乏しくなった日経225先物から投資家が離れ、短期筋(おそらくアルゴリズム中心)の投資対象がTOPIX先物に移行しているようにも見えます。日中取引の売買高を調べると、5月15日以降1カ月にわたり、TOPIX先物の売買高が日経225先物を上回っています。これも、過去では考えられなかったことです。

イベントも少ない今週ですが、何か理由をもって大きく上がる、大きく下がるというイメージが現時点では描きづらいところです。今週に入って関心が高そうなのは、内閣支持率がかなり落ちているという報道。週末に各社が一斉に報じた内閣支持率の調査では、学校法人「加計学園」の問題や「共謀罪」を巡る国会運営などが響いてか、日経新聞調査で7ポイント低下の49%、そのほか読売49%、朝日41%、毎日36%など軒並み低下していました。弱気派はこれを売り理由に挙げそうですが、支持率の調査対象は一般の日本人です。その一般の日本人が中心主体となって株は売買されているわけではないので、支持率低下と株価がリンクしにくいのも事実だと思います。

 こういった話題に海外投資家がどうアクションを起こすのか次第。ただ、少々アクションを起こしても、日本株最大の買い手である日銀ETF買いに抵抗する無駄さも熟知しているはずで、こういった話も日経225にすぐに響くとは考えにくいところ。変動率は前週比で1%程度を目安に、今週の想定レンジは19700円〜20200円に、今後1カ月のレンジ19400円〜20500円は据え置きます。

(おしまい)

※当レポートは、投資や運用等の助言を行うものではありません。また、お客様に特定の商品をお勧めするものでもありません。

※当レポートに記載する売買戦略はテクニカル指標その他を基に客観的に判断しているものであり、相場の行方を決定付けるものではありません。最終的な投資判断はご自身の意思判断によりお取引いただきますようお願いいたします。

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