岡村友哉の日経225ここだけの話

岡村友哉がお届けする一週間の予想レンジと市況情報。

2016/11/28 15:32トランプ・ラリーの持続性は?海外勢の動向に注目!

日経225 現物指数 終値18381.22円(11月25日)
安値18007.79円(11月21日)/高値18482.94円(11月25日)

(日経225 日足チャート 25日線付)
(期間:2016/1/1〜11/25)
 
(出所:Bloomberg)

(先週の振り返り)

 そろそろ終わりそうで、でも・・・終わらないトランプ・ラリー。強過ぎるドルが、日経225の上昇を正当化し続ける1週間でした。日経225は下げ知らず。週末まで上昇し、日経225は7連騰、TOPIXは11連騰となりました。今年の終値ベースの年初来高値は1月4日(大発会)の18450円でしたが、この値段を上回る場面もありました。

  ドル円が110円台に乗せて始まった週初から、日経225は好地合いを持続。前週末に国内大手証券会社が「2017年日本株展望」と題したレポートで、17年末の日経225の予想水準を2万500〜2万1000円と指摘。株価上昇の要因分析として、半分が「増益寄与」で残り半分を「日銀のETF買い効果」と指摘していました。円安による利益押し上げ効果はまさにここまで、日経225の上昇要因として織り込まれてきた話ですよね。そして、午前中に下げることが無くなり、発動が止まっている日銀のETF買い。これも株価が上がったからといって無くなるものではなく、今後の下げ局面でまた市場で需給効果を発揮します。この2つが上昇ドライバーになるというのはシンプルで理にかなっている意見だと思います(今の地合いが長期的に続くのなら・・・)。さて、前週に続き、先物の手口情報では海外勢の買い参戦を推測できるものが複数出ていました。週初21日は、ゴールドマン・サックス(以下GS)が売り867枚/買い4304枚で、差引3437枚買い越しで買い筆頭でした。

21日の海外時間では、30日のOPECの減産会合を控え、ロシアのプーチン大統領から減産に前向きな発言があったことも手掛かりに、NY原油先物が大幅高。NYダウなど米株指数も最高値を更新します。そんなリスクオン地合いの市場に、短期的な緊張感が走ったのは22日(火)の早朝でした。朝5時59分に福島県沖を震源とする地震が発生。地震の規模を示すマグニチュードは推定7.3と伝わり、津波警報も発令されました。とくに福島第一原発の近くで大きな地震が発生したことが警戒され、111円台前半にあったドル円が110円台半ばまで下落します。これは条件反射的なものだったように思われますが、このタイミングでCMEの日経225も一時18000円台を割り込む場面がありました。ただ、東京時間に入り、警報が注意報に変わったことで安心感が台頭。地震に過剰反応で日経225ショートに回った向きの買い戻しも誘う格好で、東京時間に上げ幅をジワジワ広げる展開になりました。

 日本は23日(水)が勤労感謝の日で休場。この休みの間隙を突く格好で、海外発のリスクオンはドル円を押し上げます。米経済指標に良好なものが多いとはいえ、多くの市場関係者がドル円のトランプ・ラリーの上値メドにしていた112円を超え、113円も目前に。これを受け、日経225もCMEで18400円台を付けていました。24日(木)はギャップアップで始まるわけですが、こうなると、売り向かっている日本の個人投資家(ドル円も日経225も逆張りが多いと観測されています)の踏みを誘います。そして、東京時間は新たな日本の個人投資家含めた売りで上値が重くなる・・・。トランプ・ラリーの持続性に対して疑いを持ち始めた(下げるほうにBETし始めた)参加者が多いことが、逆に需給を良くしている部分があるようにも思われます。

 24日は米国市場が感謝祭で休場。ただ、この日も東京時間が終わり、ロンドン時間に入ると突然ドル買いが加速(とくに材料がないなか)。ドル円は113円台半ばに上昇。やはり、東京時間にドルショートや日経225ショートが入り(日本の投資家に逆張りが多いため)、日本の参加者が減少する海外タイムでリスクオン地合いになっているように感じます。そして25日(金)の東京時間に入ると、日本のショート筋の踏みも交えてスタート直後は強めに上昇・・・この繰り返しでしたね。日経225は大発会の終値18450円を上回り、一時的に終値ベースの年初来高値を試す場面も。ただ、週末ということもあってか、ポジションの手仕舞いで後場に上げ幅を縮める格好となりました。とりわけ、個別ではトランプ・ラリーの象徴だったメガバンクの下げが目立ったのが特徴でした。

 (今週の見通し)
 
TOPIX11連騰、日経225が7連騰という堅調ぶりと、その上昇ピッチの速さから、「どこまで上がるか?」「いつまで上がるか?」に市場参加者の関心は高くなっています。そもそも、この相場は「期待」で作られてきました。トランプ次期大統領の政策が実現された先のバラ色のシナリオをマーケットは描き、就任してもいない段階でかなり先行して動いてきました。


 米長期金利と連動し、ドル円が上昇モメンタムを作り、ドル円の上昇に連動して日経225が上昇モメンタムを作る・・・。米長期金利の上昇が根っこにあるなか、先週末のロンドン時間に米長期金利が下がるとドル円が112円台半ばまで即座に連動して下落しました。ドル円は、先日指値オペを実施した日銀の動向などどうでもよく、完全に米長期金利に連動しているだけに見えます。今週はOPECの減産会合やイタリアの国民投票が予定されていますが、その結果次第でリスクオフの口実が作られたとしても、根本的にマーケットで強いのはトランプ・ラリーであるとの見方に変化はありません(こういった理由でリスクオフになれば、長期的には押し目買い場面を作るだけと思います)。あとは、これが続くかどうか・・・。

トランプ・ラリーは「期待」が前提にあって、まだ根拠が何もないなかで日経225に強いモメンタムを生じさせていました。モメンタムが支配するマーケットというのは、その地合いが止まるのはモメンタムが弱まったときです。今は「株が上がっていること=最大の買い理由」になっている状態のため(上がるから買う、上がるから買い戻しを誘う)、動きが止まることに絶対的に弱い側面があります。

 トランプ・ラリーが止まったかどうか?これを判別するのは難しいとはいえ、海外時間をメインに上がっていた日経225が海外時間に上がらなくなった(東京時間にギャップアップで始まらなくなった)とか、シンボル的存在だったメガバンク株が上がらなくなったといった動きから察するしかありません。そういう意味では、先週末の海外時間の円高(日経225先物下落)や、週末に強まったメガバンク売りなどは気にしておく必要が出てきたように思います。

 「外国人買い」で上がってきた背景はあります。これは、先週発表された11月第3週(14日〜18日)の投資主体別動向からも明らかです。この週、外国人は現物株を4900億円買い越し、先物を6900億円買い越し(そのうち日経225先物を4070億円買い越し)でした。先週でみても、シティGが期近の12月限の日経225先物を4060枚売り越しながら、期先の3月限を4000枚買い越すといったロングロール(先高期待を持っていると推測される)の動きがありました。また、ナティクシス証券という普段手口で出てこないフランス系の証券会社の2305枚買い越し手口もありました。様々な海外勢が日経225ロングでエントリーしていることは間違いありません。

 ただ、先行して海外勢が買っているのが先物である点は無視できないところ(実需が日本株を買う場合は現物か、もしくはTOPIX先物買い)。先物、しかも日経225でエントリーしている投資家の属性は基本的に投機筋で、早い段階での反対売買を前提にしている場合が多いとも考えます。モメンタムが消えるとき、その主役は「海外勢による先物売り」にひっくり返っていることは間違いないといえます。そのため、前述の米長期金利とドル円、そしてメガバンクの動向には目を光らせておいてください。

とはいえ、ギャップアップしなくなり、午前中下げるケースが増えると・・・今度は日銀のETF買いが入ってきます。これが支えになる地合いというのは、トランプ・ラリー前と一緒。水準が引き上がった日経225があっという間に崩れる展開も考えにくいと思います。今週の日経225の想定レンジは18000円〜18500円とします。今後1カ月のレンジを17300円〜18700円に変更はありません。

(おしまい)

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