岡村友哉の日経225ここだけの話

岡村友哉がお届けする一週間の予想レンジと市況情報。

2017/10/16 12:45次のトレンド転換点の照準は「選挙通過」!?

日経225 現物指数 終値 21155.18円(10月13日)
安値 20663.08円(10月10日)/高値 21211.29円(10月13日)

(日経225 日足チャート 25日線付)
期間:2017/1/1~2017/10/13
 
(出所:Bloomberg)

(先週の振り返り)

日経225が、アベノミクス相場以降のザラバ高値を突破。勢いは止まらず、1996年12月以来の2万1000円台を付けました。実に20年10カ月ぶり。「20年前って何してたっけ?」と過去を回想するきっかけにもなった先週の日経225。日本は今、「国難」を問う選挙期間中ですよね。そんな最中でアベノミクス後高値を超えた日経225・・・これだけ見ていると「国難って何だろう?」とも考えてしまいますね。先々週の日経225は月曜~金曜まで毎日上昇(今年初)でしたが、先週も毎日上昇・・・これで9連騰です。

 三連休明けの10日(火)は、6営業日ぶりにギャップダウンでスタート。ただ、すぐにプラスに切り返すと、日経225主導(NT倍率拡大)の形で上げ幅を広げていきました。この日は北朝鮮の朝鮮労働党創建記念日で、若干なりとも北朝鮮情勢への警戒がありました。ただ、ミサイル発射等が午前中の段階で観測されなかったことが安心材料になったとはいえるかもしれません。特段、これといった理由もないまま年初来高値をゆっくり更新している点では先週までと同様。現状が高値にあるわけで、苦しいのは日経225の売りポジションを抱えた投資家なわけで・・・やはり緩やかに買い戻しが進んでいく需給的な側面が一番大きいのだと思われます。これ自体は、この日から先週末までずっと続いたように思います。なお、8日に品質試験でデータ改ざんの事実があったことを日経225採用銘柄の神戸製鋼所が発表。神戸製鋼所株はストップ安で22%下げましたが、日経225ウエイトが0.06%とあまりに低く(ほぼ空気)、日経225に与えた影響はわずか「1.11円の下落要因」でした・・・。

 11日(水)も少し安く始まります。前日の米国株の主要指数は小幅ながら最高値を更新。IMFの経済見通し上方修正を受け、WTI原油も上昇。海外発のリスクオンムードが保たれていたなか、小安く始まった直後にすかさず買いが入った感じでした。少しでも有利(損失が小さく済む)タイミングで、既存の損失状態にある売りポジションをショートカバーしたい参加者が多いのだと思われます。小池都知事の衆院選不出馬が確定したことも少し好感されたのでしょうか・・・。この日、終値ベースでアベノミクス相場後の高値を突破。

 朝刊各紙が最新の世論調査をもとに、衆院選挙の情勢を「自民・公明両党で300議席に迫る勢い」「自民党だけで安定多数244議席を上回る見通し」と報じた12日(木)。この日はギャップアップで、いきなりアベノミクス相場後のザラバ高値を更新して始まりました。10月SQの前日でしたが、日経225のオプション市場でもSQ直前まで売り方は苦しめられることに・・・。現物市場の昼休み中に、日経225先物が2万1000円にワンタッチ。建玉が1万枚強あった21000円コールの売り方のデルタヘッジ(=日経225先物買い)も誘発したものと推測されます。個別では、日経225のウエイト上位銘柄ソフトバンクが一際強い動きに。

そして、週末13日(金)。連騰疲れで少しブレーキがかかるか?と思われながら、ジワジワと水準を切り上げ、ついに現物指数も2万1000円台に乗せます。米ドル/円は円高方向でも、もはやお構いなし状態。日経225単独での動きといえます。市場の関心は日経225に。前場でいえば、日経225は上昇しながら、TOPIXは小幅にマイナスとなったほど。NT倍率は12.38倍まで上昇しました。この日は10月のミニSQ(SQ値は20957.62円)で、SQに関連する注文が日経225型は140億円程度の買い越し、TOPIX型は300億円程度の売り越し。寄り付き時点から、SQに関連する注文が“NTロング”の形になっていたこともNT倍率拡大要因になりました。また、指数ウエイトでトップのファーストリテイリングが、前日の好決算発表で大幅高したこともNT倍率拡大の一因に。驚きを生んだのが・・・2万1000円台を付けたあと、後場が始まって短い時間でさらに噴き上がったこと! 現物の昼休み中、著名個人投資家がツイッターで「日経関連さらに買い増し」とつぶやいたことがきっかけか、日経225先物が21090円まで上昇。これで現物の後場寄りにギャップアップしたのですが、そこから45分間でまさかの追加200円高に!この局面は、現物と先物の売買高を見ても、完全に「日経225先物」主導でした。

 (今週の見通し)

上げ相場に乗り遅れている投資家を鼓舞しようと、証券業界の関係者が 「バスに乗り遅れるな」というような言葉を使うことがあります。株買いを煽るキャンペーンですね。今、まさに日経225がそんな値動きをしているわけですが・・・日本の市場関係者の多くが「短期的にやり過ぎ感が出ている」と慎重な声を口にしているように見えます(そのあとに「中長期では上昇するだろう」とも必ず最後に触れ、株に強気(万年楽観?)のスタンスは維持しています)。

なぜこのタイミングでこうまで上がっているのか、正直多くの市場関係者が理解できないから、さすがに今回は自制しているように見えます。その通りだと思います。理由はとくにない。上がり始めたから上がる。買いが買いを呼んでいる。買い戻しが買い戻しを呼んでいる・・・。ただ、衆院選の「公示日から選挙日は買い」という過去の経験則はありますが、まさにその通りで事が進んでいますね。この経験則は次回の選挙の時にも覚えておきたいほどです。

 日本人がピンと来ていないことは、当の日本の投資家がこの上昇局面で一貫して日本株を売り越しているから。一方で、大きく買い越しているのは外国人投資家。先週末に発表された10月第1週分では、現物と先物の合計で約1.1兆円の巨額買い越しでした。内訳は現物を約6500億円、先物を約4500億円の買い越し。先物だけの買い越しだった上昇の起点時とは異なり、現物株も買い越しになっていることが骨太相場の兆しと解釈できます。その一方、先物の買い越しも続いていることが上昇に勢いを持たせている要素といえます。これまでの売ってきた分の買い戻し(ショートカバー)がまだ続いているとも推測できます(これは、低下が続いていたNT倍率が急激に上昇していることが示唆しています)。

 10月第1週は外国人の大幅買い越しで日経225は週間で334円高。そして先週(10月第2週)は、さらに週間で464円高。まだデータは出ていませんが、先週も外国人は同じく現物、先物とも買い越していることでしょう。とくに、先物です。先物手口を見てみると、8月に巨額の先物売りで話題になった外資系証券2社で買い越しが目立っていました。ズラズラと時系列で記載すると、10日(火)は、クレディスイス(以下CS)が日経225先物を約2000枚、TOPIX先物を約3400枚買い越し。11日(水)は、モルガンスタンレー(以下MS)がTOPIX先物を約2900枚買い越し。12日(木)は、MSが日経225先物を約2500枚、TOPIX先物を約1800枚買い越し、CSも日経225先物を約1400枚、TOPIX先物を約1600枚買い越し。13日(金)は、CSが日経225先物を約1100枚、TOPIX先物を約1700枚買い越し。ここに記載している2社の分だけで、金額ベースで3500億円程度の買い越しになります。そりゃ上がるわけですよ・・・。先物主導by外国人。

 この間、米ドル/円はほとんど円安になっていません。1カ月前(9月15日)の米ドル/円は1ドル=111.13円ですが、先週末は111.86円。先週は週間でも1ドル=0.73円の円高に振れているにも関わらず、日経225は前述の通りですから、上昇した理由を頭で理解しようと思っても無理です。完全に先物主導なんですから。ただ、これまでと同じく、米国株がまったく下げていません(最高値圏を維持している)。そして、受けた日経225がギャップアップで上がる傾向を続けている点は不変。SQ通過後にトレンドが変わる傾向は昨年ありましたが、今回はSQ通過後もトレンドを維持していることから、海外投資家のターゲットは別のところにあることもわかりました。となると、次のトレンド転換点として照準を合わせるのは「選挙通過」でしょう。ここまで買い戻しが買い戻しを呼ぶ展開は基本線として続くと想定。今週の想定レンジは20900円~21500円、今後1カ月のレンジを20000円~22000円とします。なお、「選挙通過」で暴落、なんて極端なシナリオは描かないほうがいいと思います。10月に入って上げ相場のおかげで一度も発動していない「日銀ETF買い」。少し下げ始めても、これが日本にはありますので・・・。

(おしまい)

※当レポートは、投資や運用等の助言を行うものではありません。また、お客様に特定の商品をお勧めするものでもありません。

※当レポートに記載する売買戦略はテクニカル指標その他を基に客観的に判断しているものであり、相場の行方を決定付けるものではありません。最終的な投資判断はご自身の意思判断によりお取引いただきますようお願いいたします。

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